【不動産会社に聞いてみたVol.3】株式会社八清(はちせ)様

みなさんこんにちは!家売る幸作こと、家島幸作です。

 

不動産会社って、なんだか見えないベールに包まれている印象がありませんか?

普段から頻繁にお世話になることってないですから、実際に家を売るときに何をしてくれるんだろうって気になりますよね。

そんな皆さんのために!今回は僕が不動産会社さんにインタビューを敢行し、あれやこれやいろんな話を聞き出してきましたよ!

今回お邪魔させていただいたのは、京都市下京区にある不動産会社、株式会社八清(はちせ)さまです。

八清様の経営理念

株式会社八清 専務取締役の西村さん

株式会社八清 専務取締役の西村さん

今回は取材にご協力いただきありがとうございます。
こちらこそ!よろしくお願いします。
まずは八清さまの経営理念を教えていただけますでしょうか?
八清では、「居場所の創造でお客様を豊かにする」を理念としています。昔は“居場所”ではなく“住まい”の創造だったんですけどね。
居場所と住まい、似ているようで意味は異なりますね。そのへんも今日のお話から掴んでいきたいと思います。
あとは、京都に貢献していく」ということ、そして安心・安全・快適」ですね。
安心と安全に加えて、快適ですか?
八清は家を提供しているわけですけど、デザインだけじゃだめなんです。ふきぬけから子供が転落しそうな設計じゃもちろんアウトですよね?
それは間違いないですね!
それから、有事の際に家として残る耐震性も、当たり前のことですが必要だと思うんです。そういった、日常と有事の両方ともに安心と安全を提供するのが私たちの仕事です。
快適さというのは、床暖房とか断熱材とかの設備のことでしょうか?
たしかに、断熱性など物理的な快適さも大切です。ただ、それだけではなく、居心地や情緒なんかを大切にしていきたいんですよね。それはすごく難しいことだけれど、そういうことを追求していくのが好きな連中が八清には集まっています(笑)
かっこいい集団ですね!
ありがとうございます。やっぱりね、計算出来たりするものって面白くないじゃないですか?なぜかわからないけど気持ちがいいとか、なぜかわからないけど落ち着く、なぜか癒される。そういうことってありますよね。

 

京都ってどんな街?

ありがとうございます。経営理念の中に京都に貢献というワードも出てきました。八清さんは京都で60年以上やってこられたわけですが、西村さんは京都ってどんな街だと思いますか?
それは一言では言えない(笑)東京に住んでいる人から言わせると、京都は非日常だし、観光客も大勢いるし住みにくいでしょとイメージされてるみたいですね。
住むとなると、観光地というイメージがマイナスになるんですね。
でもね、実際東山区の祇園や清水寺界隈はそこまで住みにくいわけではないんですよ。 

たしかに、京都市内の中の方には、大型のショッピングモールとか便利なものは少ないです。だから、住むのに便利な場所と言われれば違うかもしれないけど…。心が豊かになる場所ではあると思うんです。
心が豊かにですか?
自然が近くて、変化が色々ある。歴史的なものがあったり美術館があったり新しい食べ物屋さんがあったり。伝統を守る京都人に見えて意外と新しいものが好きなんですよね。
そうなんですね!
意外とね。コンパクトでどこへでも行けて飽きないですよ。心地いい時間の流れがあります。人混みも少ないし住んでいて楽です。ぼくは並ぶの嫌いなんで(笑)そうやって流行っているものをちょっと斜めから見てしまうのも京都なのかもしれないなあ。
行列に並びたくない気持ちはとても分かります(笑)
例えば東京にいると、周りがやってることをしなければできないようなプレッシャーがあるみたいで。周りの影響やプレッシャーがすごいかけられる中、それをみんなちゃんと真面目に追随してやっていくんですよ。だから行列もできるのかな。
東京って感じですね…。
それに比べると、京都はいい意味でこもれる街です。創作活動は京都がいいよって言われたりもするくらいなので。 そういうのが目的で京都に住む人も多いみたいですよ。
京都ならではですね。
あと面白いのが、区によって個性が全然違うことですね。ほんとうに狭い範囲で個性が分かれていて、それを住む場所で選択できますからね。それぞれがそんなに遠く離れているわけでもないですし。ほんとに、京都は面白い街ですよ。
京都といえば、最近外国人の永住者も増えていますよね。
観光客の方だけじゃなくなってきていますね。僕の住んでいる学区も、今じゃフランス人学校があるんです!京都に住んでいるフランス人の子供が通うための学校ですよ?だからたくさんのフランス人が住んでいて、そこに観光客も混じっていてなんだかよくわからない(笑)もはや外国みたいな状態です。異文化交流も盛んでウェルカムなんですよね。
すごいですね!京都って排他的なイメージもあるけど、個人的にはそこまでじゃないかなと思ったりしてます。
イメージはそうかもしれないですけど、全てがそうではないですからね。お茶漬けを出されたら帰れとかよく言われるけど…みんながみんなそうではないですから(笑)

 

八清の強みって?

京都の話がたっぷり聞けてよかったです。続いて、八清さんの強みについて聞かせていただきたいです。
強みですか…。
HPに書かれた「家の歴史に価値を見出す」ってまさに八清さんの強みじゃないかなって思ったんですが?
家が持っていたストーリーを一緒に売りたいっていうことは常に考えています。物質的な価値というよりも精神的な価値の方が面白いじゃないのかって。
昔ながらの家とか、長く住んできた家を売る人はそう言ってもらえると嬉しいですよね。
あとは地歴ですかね。昔武家や貴族が住んでいた土地だったり。古くさかのぼれば面白い歴史がある土地が沢山出てくるんです。
歴史のロマンを感じますね。歴史的なところに価値を見いだす人もいそうだなあ。
価値はもちろん、意味だってちゃんとあるんです。地政学的な観点からもそこになければならない理由があるはずなんですよ。そう考えると、昔からの地域コミュニティが根付いた街の方が結局は地質的に安全で、高度経済成長期のスプロール化で広がっていった町の方が埋立地であったりするので地盤がゆるかったりする
なるほど…。
神社がある場所なんかも実は意味があって。
確かに。ただ土地が空いてたから神社でできたわけではないですよね。
一つ一つきっと意味があるんでしょうね。そういうところが京都って面白いですよね。答えがないから面白い。どこまで行ってもスピリチュアルだったり謎めいてる部分があったりするのでそれってデジタルで簡単に答えが出るわけではない。
面白いですね。
そういったデジタルでは解決できないアナログなところに八清の強みがあるんだと思います。たくさんの人から理解されない方がむしろ面白い。京都ってこうだって決めつけて言われる方が面白くないんです(笑)

 

不動産を売るだけじゃない八清の活動

八清さんの企画する京都の小劇場 Theatre E9 Kyoto

八清さんが関わる京都の小劇場 Theatre E9 Kyoto

京都駅の南東に小劇場を作るプロジェクトも関わっていますよね。
ありがとうございます。先日プレスリリースをしたんですけどたくさんの人に集まってもらいました。注目度がかなり高かったです。カメラにめっちゃ撮られました(笑)
すごいですね!
中小規模の劇場はどんどんなくなっているのでそういった中で注目度は高かったんだと思います。
>THEATER E9 KYOTOの公式サイトをチェック
 
 
新築の京町家”京つむ木”

新築の京町家”京つむ木”

新築京町家の分譲販売もされていますよね?町屋残していくだけでも大変なのに、残すだけではなくて新しく作っていくのはもっと大変なことだと思うんですけど…?
正直大変ですよ(笑)
ですよね(笑)でも、新築の町屋には感動しました!
ありがとうございます。
イベントにお邪魔させていただいたとき、「ここってリノベーションなの?古いの?」という話をする人たちが新築と聞いて驚いているのをたくさん見たんです。
感動してもらえるポイントはたくさんあると思います。ただ、金額的には高価な商品になっちゃうのでそこが難しい。
物の価値は金額だけではないので、家を見た後に金額を見て高い低いという印象ではなかったですよ。
こういうのが欲しかったという人にはハマるはずだと考えています。間違いなく他にない家ですからね。
>京つむ木の公式サイトをチェック
 

家の価値が20年30年でなくなってしまうことについて

八清さんにはどうしても聞きたいことがあって、家の価値が20年、30年でなくなってしまう一般的な評価・査定のシステムについてなんですけど…。
そこに対しては反論を唱えていきたいですね。耐用年数で評価するという仕組みには疑問です。物理的にも市場的にも本当はそうじゃないですから。特に町屋は昔と変わらない値段で売れることが多いですしね。
そうなんですね!町屋ってすごいなあ…。
地価の影響もあるので単純に家だけの話ではないですけどね。それでも、愛着や味わいといった部分で価値が持続することはあると思っています。
不動産会社の方にそう言っていただけると、勇気が出る方が多いんじゃないかな。
そう思っていただけるといいんですが。
家を売る人からすると、耐用年数だけで金額が決まるのはヘビーな回答だと思うんです。今まで住んできた家にはもう価値がないと言われる切なさといいますか…。
たしかにそうですね…。ただ、これからの時代はそれぞれの価値観に合わせた暮らし方が増えてくると思います。デュアルライフも唱えられるようになって、例えば田舎だから価値がないということはなくなってくるかもしれないですよ。
そうなんでしょうか?そうなって欲しいのはやまやまなのですが。
欲しい人は欲しい。欲しくない人は欲しくないという話になってくるでしょうね。そうなると、耐用年数で価値が変化するんじゃなくて、個人の価値観で金額が変わってくるのかなと思います。

 

八清で家を売りたい理由とは

八清の中古専門相談窓口|株式会社 公式HPより

八清の中古専門相談窓口|株式会社 公式HPより

貴重なお話を聞かせていただきありがとうございます。ちなみに、八清さんで家を売って欲しいと頼まれる人ってどんな方が多いですか?
家を残していくということを謳っているので、いま自分が住んでいる家を気に入って買って欲しいと願っている人が、八清で売却をお願いしてくれているのかなと思います。
八清さんにくる売主さんは、古い家でも、古家付ではなく、一軒の家として買ってくれる買い手を探してもらいたいんですね。
そう思ってきていただけているなら嬉しいですね。町屋を専門的に扱ってるので、単純に古い家でも売ってくれるのかなと思う人が集まってくれてるのかな。老朽化してるけどいい家ですという謳い文句ができるのは八清の強みですし。
さすが八清ですね。
ありがとうございます。スペックで判断する不動産会社で定量的な部分しか見ないんですよね。八清ではそれだけじゃなくて、他の会社が見ないような味わいとか、可愛いところを見つけてあげたいなと思っていて。
家の可愛いところですか?
“僕だけの美人”みたいな(笑)そういうのを見つけてあげたいなと。定量的な情報はもちろん伝えていきますけど、感覚的な情報が大事になってくるはずだと思っています。

>八清の中古専門相談窓口を見る

 

八清で家を買いたい理由とは

今度は八清で家を買いたい人についてお伺いしてもいいですか?
一個一個オーダーメイドと言うか、他にはないものをいいものとしてとらえているので、同じ感性を持った人が八清で家を購入していただけているのだと思います。
自分がお客さんだったとしたら、まさにそういう理由で八清さんから家を買わせてもらうでしょうね!
ぜひ!(笑)常に愛着が持てる家を作りたいと思っているので。今の新築ってプラスチックのイメージがあって…。汚くなったらま新しい家を買いましょうみたいな。
建築資材も高騰してますもんね。
組み立てのプラモデルみたいな家が多いですね。コストを抑えるために、プレカットで組み立てができる前の段階までは作っておいて、現地に持ってきて組み立てるっていう。そのうち3 D プリンターで作って家を作るようになるかもしれませんよ。もしくはすべてロボットにやらせるようにもなるかも…。
ええー!?でも、否定はできないですね。
そうじゃない家を僕たちは作りたいと思います。そこに価値を見いだす人が必ずいて、いいなと思ってくれるはず。
いますよ絶対!そういう人が八清さんを頼りにするのかなと思います。

 

最後に

本日はたくさんお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
好きなことばかりを話してしまいましたけど…。大丈夫ですか?
何をおっしゃるんですか!最後に、この記事を読んでいただいている方にメッセージをいただければ。
そうですね…。今ほんとうに、今後どうなっていくか分からないような社会で、今までやってこれた成功パターンを真似ても成功するかどうかわからない時代になっていると感じます。
不動産の売買でも同じことが言えそうですね。
ただね、逆に右も左も分からない状態から何かが起こるそういう時代でもあると思うんですよ。だからこそ、今後の不動産売買では、何かあった時にうまく立ち回れる物件が注目されていくのかなと思っている。
何かあったときにうまく立ち回れる??
そうです。八清が扱っている物件は、売り安い物件だとしても、値段、つまり価値が持続する物件を多く扱っているつもりです。そういった“もし自分に万が一のことがあった時に有効活用できる家”が今後求められていくのではないかと。
有効活用っていうのは、売却できたり、賃貸にして貸せたりということですか?
その通りです。一生同じ家に住み続けるというのもだんだんなくなってきているんでね。何が起こるかもわからない中、何かあった時に動きやすい状態の家に着目してやっていきたいなと思っています。
新しい考え方ですね!さすが八清さん!
そう考えるとね、京都は駅から近い場所じゃなくても貸し出したりできるような家もたくさんあるので、何かあったとき有効活用しやすいんですよ。
駅からちょっと離れていても、京都の町って歩くのも悪くなさそうですね!自転車で交通もしやすいですし。
もう若い方は家の所有にこだわらない時代がきています。そういう流れがメインになった時にどういうサービスを提供できるかを考えていかないとダメですね。
所有以外のサービスかあ…。

 

京町家タイムシェア

京町家タイムシェア|株式会社八清 公式HPより

完全な所有権だと3,000万円から4,000万円以上かかってしまうので、何か別の方法がないのか模索しています。例えば、タイムシェアというやり方でその発展形を考えていきたいですね。
タイムシェア!ですか?
1年を52の「週」に分けた専用のカレンダーの中から、自分の好きな週を選んで、1週間単位で購入することができるサービスです。日本ではメジャーではないですけど、世界共通規格の不動産オーナーズシステムなんですよ。
全然知らなかったです…。週単位で家を持てるって面白いですね!
セカンドハウスを持ちたいけど、維持費や管理が大変という方にとってはもってこいですよ。
いろんな場所を転々としながら暮らしたいフリーランスの方にもよさそうですね。
ありですね!今後はこんな風に、所有権以外で提供できるものがないのか考えながら、頑張っていきたいなと思います。家の造り、ハードの面は常日頃よくするのは当然として、お客さんの心に届けるソフトの面、サービス面をもっと磨いていきます。
>京町家タイムシェアの情報をチェック
 
最後まで目からウロコの話が聞けて、とても楽しかったです!本日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。

 

インタビューを終えて

歴史や伝統、文化を守りながら、それを残すだけでなく発展させていこうとする八清さんの姿勢は、いままでの不動産会社にはない新しい風を感じます。

これからの八清さんの活躍にも目が離せません!

 

そして、インタビューに答えてくれた西村さんは、本当に京都のことが好きなんだというのがビシビシ伝わってきました。

だからこそ、京都の伝統的な町家や、昔から伝わる家づくりの伝統技法を、残すだけでなく増やす取り組みをただやるだけでなく成功させてこられたのでしょう。

もし、京都市内で古い家をどうすればいいのか迷っている方がいらっしゃれば、まずは株式会社八清さまに相談してみてください。

 

【株式会社八清】会社概要

住所 京都府京都市下京区東洞院通高辻上る高橋町619番地
設立 昭和31年7月
宅建業免許 宅地建物取引業者免許 京都府知事(15)642号
加盟団体 公益社団法人京都府宅地建物取引業協会
京町家情報センター
都市居住推進研究会
NPO法人京都マンション管理評価機構
一般社団法人京都不動産コンサルティング協会
一般社団法人リノベーション住宅推進協議会 
マンション総合研究会(京都マンション管理評価機構)
電話番号 075-341-6321(代表)
FAX番号 075-361-0610
代表者名 西村 孝平