まさかの転勤とやっと手にしたマイホーム そのときあなたはどうする?
家を買うと転勤の可能性が上がる。
嘘か本当か、そんな噂を耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
転勤があるかもしれないという理由で、念願のマイホーム購入を不安がる必要はありません。
マイホーム購入後に転勤が言い渡された場合にどのような行動をとるべきかを事前に知っておけばいいのです。
転勤族がマイホームを持つタイミング
転勤の可能性があると、いつマイホームを持っていいか分からない人も多いですよね。
まずは、実際に転勤族はどんなタイミングで住宅購入をするのかについて見てみましょう。
子供がある程度大きくなった時
ひとつは、子供がある程度大きくなったタイミングです。
あらかじめ「子供が中学生になったら単身赴任」など、子供の年齢で帯同の有無を決めている転勤族の家庭も多いでしょう。
夫だけ単身赴任になれば家族はその土地に残れるため、子供がある程度の年齢に達した時も持ち家を購入するひとつのタイミングになります。
転勤族は、子どもが小さいうちは夫に家族ごと帯同すると決めている場合が多いです。
これは、子供が乳幼児の場合は幼稚園や保育園入園前で子供の負担も少ない、幼稚園や保育園に入っていても小さいうちなら転園先でもすぐになじむからという理由と、小さいうちは家族一緒に過ごした方がいい、と理由からです。
一方で子供が大きくなればなるほど、新しい転校先に馴染みにくくなる傾向にあります。
さらに、中学生、高校生なら中学校や高校を転校する手続きや子供への負担も大きくなるため、子供がある程度成長したらマイホームを購入、夫は単身赴任を選択する転勤族も少なくありません。
定住したいと思った土地を見つけた時
全国規模で転勤をしている世帯にとっては、色々な街に住む機会がありますよね。
たまたま転勤で住んだ街がとても良い街、かつ良い分譲物件が出ていたなどマイホームを持つチャンスがあったときには、そのまま定住するためにマイホームを購入するパターンです。
会社の単身赴任要件を満たした時
単身赴任になると、二重生活になるため生活費の負担は多くなります。
そのため転勤族の家族の負担を少なくするために、企業が単身赴任手当を出したり、住居手当を出したりする場合もあります。
単身赴任手当や住宅手当が出る場合はそのお金で賃貸物件に住んで、マイホーム購入のための資金を貯金しておくこともできますね。
そのため、生活に必要な手当ての有無や、会社で決められている単身赴任の要件を満たした時にも、転勤族がマイホームを持つタイミングになります。
夫が単身赴任になる、または諸手当が支給されるのには、企業ごとに規定を設けている場合があります。
例えば、住居手当なら「転勤に家族が帯同するときのみ」などです。
ところが、住居手当は子供が一定の年齢に達すると支給されなくなる場合があります。
これとは逆に、一定の要項を満たさないと単身赴任を認めない企業も例えば、「同居家族に要介護者がいる」「子供が高校生以上のみ」などです。
これらの諸手当が打ち切られて単身赴任をせざるを得ない時、または単身赴任手当が出て単身赴任を認められるタイミングになったときも、マイホーム購入を考えるタイミングです。
転勤が短期間、またはなくなる可能性がある時
会社から、今後転勤が数年のみ、または転勤自体がないと言われたときもマイホーム購入のタイミングとして挙げられます。
数年のみの転勤ならその間単身赴任としても耐えられると考えてマイホームを購入してしまうパターンです。
さらに、転勤自体がなくなれば、マイホームの購入を躊躇している原因そのものがなくなりますので、安心してマイホーム購入に踏み切れますよね。
転勤族のマイホーム購入後の生活パターン
転勤族でも実際にマイホームを購入した人の生活の変化やパターンについて見てみましょう。
不動産情報サービスのアットホーム株式会社は、マイホーム購入後に転勤を命じられた既婚サラリーマン男性598名を対象に調査を実施しました。
その結果、マイホーム購入後に転勤後を命じられたけれども、「マイホームを購入して良かった」と思った人は全体の77.8%と高水準をマーク。さらに、単身赴任者だけで見ると88.8%が「購入して良かった」と答えています。
マイホームの購入自体を後悔せず、逆に良かったと思っている人の方が多いことが分かりました。
なお、マイホーム購入後単身赴任を選んだ人の中で、約7割が「月1回以上は帰宅している」と回答しています。
マイホーム購入後に転勤になったらどうする?
マイホーム購入後に転勤になった場合は、主に3つの方法があります。
賃貸に出す
売却する
これら3つの方法です。
アットホームの調査でマイホーム購入後も家族が帯同を選んだ人は、マイホームを「売却」が37.5%、「賃貸に出す」が26.8%、「空き家にしている」が約1割でした。
これを踏まえて、マイホーム購入後に転勤になった場合、どうすればいいかの方法を見てみましょう。
単身赴任・空き家にする
マイホームを手放さずにそのままにする方法です。
子供が大きい場合は夫だけ単身赴任するパターン、子供が小さいうちは家族全員で帯同する方がよいと判断し、マイホームを空き家にするパターンになります。
ほかにも、夫だけ先に半年~1年ほど赴任先に行って、赴任先の住環境や周囲の施設などを様子見してから帯同するパターン、さらに夫が離職して転勤のない仕事や自宅近くの仕事へ転職するパターンもあります。
単身赴任または空き家にするメリットは、子供の年齢など家庭の事情に応じて単身赴任か帯同か柔軟に選べること、転勤になってもマイホームを失わずに済むことがあります。
デメリットは、単身赴任の場合は夫がいない分妻に負担がかかりがちになる、子供がさみしがる、空き家の場合は新築でも外壁などは経年劣化するため、住んでいないときでも劣化して精神的な負担も大きくなることがあります。
賃貸に出す
夫に家族ごと帯同している間、空いているマイホームを賃貸として出す方法です。
この場合は、賃貸契約期間があらかじめ決まっている定期借家(ていきしゃっか)として賃貸に出すことになります。
例えば、契約期間を転勤している間の2年間に設定することで、2年後に帰ってきたらまたマイホームとして住むことができます。
さらに賃貸として出せば、家賃収入が入るため、住宅ローンの返済にも役立つ、といったメリットもあります。
マイホームを賃貸にするデメリットは、良いタイミングで借り手が見つかるか不透明であることです。
一戸建て物件はマンションよりも入居者ニーズが少ないためなかなか借り手が見つからない、一方でマンションは一戸建てよりもニーズは高いものの、期間が終われば必ず退出しなければならない定期借家契約では希望よりも家賃が低くなりがちです。
さらに、固定資産税や修繕費用、家賃収入で得た所得税の支払いや手続きなどの手間や出費も考慮しておかなければいけません。
また、住宅ローンが残っている持ち家を賃貸に出す場合は、金融機関への相談も必要です。
売却する
購入したマイホームを売却して手放す方法です。
せっかく購入したマイホームを手放すと、ローンだけが残るのではないかと心配になる人も多いかもしれません。
ところが、マイホームを住宅ローン残債以上で売却できれば住宅ローンはなくなりますので、金銭的なリスクやコストは他の選択肢よりも少なくなります。
マイホームをすでに購入している人で、これから転勤の可能性がある人は、不動産売却も視野に入れて常日頃から自宅の価値を把握しておくのがおすすめです。
そのためには複数の不動産会社に査定を依頼して、査定価格の平均から自宅の価値を把握しておきましょう。
複数の不動産会社の査定価格を比較することで、高い価格で売却できる自信がある、つまり本当のマイホームの価値が分かる不動産屋が選べるので、いざ転勤になってしまった時にもスムーズに売却に動き出せます。
複数の不動産会社へ査定を依頼する方法
複数の不動産会社に査定を依頼するときは、不動産一括査定サイトを利用するのがおすすめです。
不動産一括査定サイトは、マイホームの情報と利用者個人の情報を入力すると、たった一回の入力で複数の不動産会社へ同時に査定依頼ができるサービスです。
一件ずつ不動産会社を回る必要もないので、手軽に査定結果を入手することができます。
例えばこの『イエウール』なら、提携する1700社以上の不動産会社の中から、査定を依頼するマイホームに合った不動産会社をピックアップしてくれます。
ピックアップされた不動産会社の中から最大6社に査定依頼ができ、より正確なマイホームの価値を把握しておくことができます。
AIとラインでやりとりするように査定依頼ができるので、入力もとてもカンタン。「売ったらいくらになるだろう?」と思ったその時にすぐ査定依頼ができます。
累計利用者数も1000万人以上と安心して利用できるサービスなので、家の価値が気になったときは『イエウール』で査定を依頼してみましょう。
転勤も考慮したマイホーム選びのポイント
転勤族だからこそ、マイホームを購入するときには重視すべきポイントがあります。
不透明な転勤の可能性を考慮した、転勤族にぴったりのマイホーム選びの注意点とポイントを3つご紹介します。
価値が持続する家
転勤族は、マイホームを持ってもいざとなると賃貸に出したり、売却したりする必要があります。
いつでも手放さなければいけないリスクを持っているため、資産価値の下がらない家をマイホームとして選ぶのがコツです。
一戸建ては建物としての価値は経年とともに下がってしまいますが、土地の価格は持続します。
そのため駅に近い立地を選ぶ、コンパクトシティ計画を確認するなどが有効です。
駅から近い、特に徒歩圏内の立地にあると土地の資産価値は下がりにくくなっています。
さらに、国土交通省の取り組みである「立地適正化計画」(コンパクトシティ計画)を把握しておくと、将来「都市機能誘導区域」、「居住誘導区域」、「その他の誘導区域」にどのエリアが該当するかが分かります。
都市機能誘導区域または居住誘導区域に購入しておくのも、資産価値の下がりにくいマイホームを持つポイントです。
なお、一戸建てよりもマンションの方が価値の下落率が少なくなっています。
特に利便性が高く、公示地価そのものが高い都心のマンションは価格が安定しているのが特徴です。
転勤になったとき、売却や賃貸として出すことを踏まえて、都心や都市部のマンションをマイホームとして購入するのも良いでしょう。
新築ではなく中古住宅を選ぶ
転勤族はマイホームを購入した直後に転勤というリスクがあります。
これを踏まえて、新築ではなく中古物件をマイホームとして購入するのも有効です。
中古は新築よりも購入コストが抑えられるのでマイホーム購入に踏み切りやすい、さらにマイホームを売却する時にもローン残債が少ないため、ローンが完済できる確率が高いなどのメリットがあります。
逆に新築物件をマイホームとして購入後、すぐに転勤になった場合は中古物件を購入したときよりもリスクが高いのも理由のひとつです。
新築物件を購入後に転勤になり、賃貸に出すと「せっかくのマイホームが他人に使われて中古物件になってしまった」という気持ちの上でのダメージが大きく、新築購入したマイホームに愛着がわかなくなってしまうことがあります。
さらに、新築物件を購入して売却する場合は、ローンの残債が中古よりも多いため、売却しても住宅ローンが完済できないリスクもあります。
夫婦どちらかの実家近くに構える
マイホームを夫婦どちらかの実家近くに構えると、もしも転勤になってマイホームが空き家になっても、両親に手入れや留守宅管理を頼めます。
もしも子供が大きいなどの理由で夫が単身赴任になった場合でも、夫がいない分のサポートを両親にお願いすることも可能。例えば、共働き世帯で夫だけ単身赴任になった場合でも、両親が近くにいれば残業などの時も子供のお迎えを頼めたり、病気の時は預かってもらったりなど家事や育児でサポートが受けられます。
孫の顔をすぐに見せられる安心感や、祖父母が近くにいることで子供に対しての良い影響もたくさんあります。
会社や他の人から情報を仕入れておく
夫の周りの同僚や同じく転勤族の奥様から、マイホームを購入するタイミングに関する情報を仕入れておくのも、転勤族のマイホーム購入には有効です。
例えば、企業によってはマイホームを購入した場合、転勤のエリアが近隣地に限られたり、赴任期間が短縮されたりする場合があります。実際にマイホームを購入した同僚や、転勤を経験した先輩などに話を聞いて見ると、理想のマイホームを購入するきっかけにつながるかもしれません。
さらに、ほかの人から仕入れた情報は必ず夫婦で共有して、マイホーム購入のタイミングやマイホーム選びに活かしましょう。
「子供が何歳まで家族帯同するか」など細かい条件のすり合わせもできます。
まとめ:売却まで視野に入れた計画で転勤族でもマイホームは購入できる!
転勤が多いお仕事をされている方だと、マイホームは購入しないでずっと賃貸の方が自由でいいという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、マイホームを購入したいという夢を持ってはいけないわけではありません。
もし転勤が言い渡されたときにどうするのがベストなのかをしっかり計画しておけば、マイホームの購入は決して無駄な出費にはなりません。
どんな物件を購入した方がいいか、転勤を言い渡されたらどうするのがいいのかをまとめたこの記事が、みなさんのお役に立つなら幸いです。