【一戸建ての訪問査定体験談】不動産査定の前にするべき事はたった2つでした

2018/12/21 投稿 2019/02/28更新
不動産会社に査定してもらいました

不動産会社に査定してもらいました

家を売る。そう決めたあなたがまず知りたいことは、売ろうとしているその家がいくらで売れるかのはず。

それを知るためには不動産会社に依頼して、家がいくらで売れそうなのか査定をしてもらう。

ここまでは頭の中ですんなりとイメージできると思います。

しかし初めて家を売るとなると、「査定を受ける前にしとかなければいけないことはあるの?」「どこの不動産会社にお願いすればいいの?」などの疑問が浮かんできませんか?

そんな疑問を解決するために、みなさんに代わって当サイトの主人公【家島幸作】が、自宅の実査定をしてもらいました。

その査定の様子をご覧いただきながら、みなさんの疑問を解決していきたいと思います。

査定してもらっただけじゃなく、不動産会社さんにいろいろ聞いてきたから、ぜひ参考にして欲しいな!
とくに初めて家を売るという方には、今回の家島さんの体験談を活かしてもらいたいですね。

査定の前にするべきことはたった2つ

査定を受ける前に、不動産会社さんに一番気になっていたことを聞いてみました。

家の査定を受けるのは初めてなんですけど、何か準備しておいた方が良かったことってありましたか?
売主さんが査定を受ける前にやっておいた方がいいのは、相場価格を調べることと、複数の不動産会社に査定を依頼することですね。
えっ、その2つだけでいいんですか!?

 

査定の前には相場調べが必須

不動産会社さん曰く、査定を受ける前に必ず相場価格を調べておいた方がいいとのこと。

相場価格を知っておかないと、査定価格が適切な価格なのかがわかりません。

そのような状態で査定を受けると、不動産会社のいいように価格が決められてしまう危険があります。

「購入したときの価格で売れたらラッキー」と考えている人は特に要注意です。

例えば3000万円で購入した家の相場が、今では3500万円になっていたとします。でも、相場を知らなければ査定価格3000万円で十分嬉しいですよね?
不動産会社にしても、相場より500万も低い価格で売り出せればほぼ確実に売却できるので、願ったりかなったりです。
相場を知っておけばもう500万円高く売れていたかもしれないってことですね…。

簡単な相場価格の調べ方

相場価格を知っておいた方がいいとは言っても、どうやって調べるのがいいのでしょう。

一番簡単な方法を聞いてみました。

いちばん簡単な方法は、近くで売り出されてるよく似た間取りの新築物件と比較することですね。
一戸建ての建物価値は30年で0になるとされますので、そこから計算します。
【ケーススタディ】築年数10年の家
建物価格は10年分減っているので、残り20年分の価値しかないことになります。
同じような間取りの新築が3500万円(土地2000万円+建物1500万円)で売り出されていれば、
土地2000万円+(建物1500万×20/30)=3000万
が相場になります。
その方法なら簡単に相場価格がわかりますね!
あとは周辺で売り出されている中古住宅の売り出し価格を調べることですね。早く売りたい、高く売りたいなど、売主さんの希望で相場と前後する場合もありますが、だいたいいくらで売れそうなのかは掴めるはずです。

査定は必ず複数社に依頼

相場調べの他にもうひとつ、必ずやっておかなければならないのが、複数の不動産会社への査定依頼です。

査定の真の目的は不動産会社選びにある

家がいくらで売れそうなのかを知りたいだけなら、相場を調べておけば十分です。ですが、家を本気で売りたいと思っているなら、複数の不動産会社に実査定を依頼してみてください。ただし、比較するのは査定価格ではなくて、担当者との相性や信頼できる相手かどうかです。
価格は比べなくてもいいんですか?
例えばA社、B社、C社の3社に依頼して、A社が一番高い査定価格だったけれど、C社が一番信頼できる担当者だったとします。この場合、A社の査定価格でC社に売り出してもらうのは全然アリなんです。売り出し価格を決めるのは、不動産会社ではなく売主さん本人ですから。
なるほど!

 

一括査定サイトの注意点

複数の不動産会社に査定を依頼する方法として、便利なのが不動産一括査定サイトです。

このサイトを使えば、1回の依頼で複数の不動産会社に査定依頼ができるので、1社ずつ何回も査定を依頼しなくて済みます。

不動産一括査定サイトの注意点についても聞いてみました。

不動産一括査定サイトで査定依頼をすると、他社と一緒に依頼していることが不動産会社にも分かる仕組みになっています。なので、想定よりもちょっと高めの金額を伝えることがほとんどですね。
ええ!そうなんですか?
僕らはまず選んでもらわないと話にならないので。明らかに高すぎる査定価格を出した他社にお客さんを取られたこともあります…。
一括査定の価格は、適切な価格よりも高めに設定されていると覚えておいた方がいいですよ。
貴重な情報ありがとうございます!
その点を忘れなければ、複数の不動産会社を比較したり、知らなかった不動産会社を知ったりすることができる便利なツールだと思います。

不動産査定の方法と流れ

査定を受ける前にやっておくべき事はたった2つだったので、もう覚えていただけましたよね。

相場を調べておくことと、複数の不動産会社に査定を依頼することです。

ここからは、実際に一戸建ての訪問査定はどんな方法で行われているのかを流れに沿って紹介していきます。

これから査定を依頼しようと考えていた方は、「えっ、そうなの!?」と思われるでしょう。必見です。

【今回査定してもらった一戸建て】

・購入価格2400万円
・築8年
・木造3階建
・土地面積52.66㎡
・延べ床面積84.93㎡
・最寄り駅から徒歩15分

衝撃!訪問査定は開始10分で終わる

部屋を見て回る不動産会社さん

部屋を見て回る不動産会社さん

では、お家を見させていただきますね。

 

不動産会社さんはそう言うと、おもむろに室内を見て回り始めました。

一緒について回ると、どうやら家の設備を確認して回っているようです。

ありがとうございます。見させていただいた上での査定価格なんですが。
えっ、もう査定は終わったんですか?
そうですね。ひと通り見させていただきましたので。

なんと、訪問査定の時間は10~20分で終わってしまうのです。

実は机上査定で査定価格はほぼ確定している

室内を見て回る時間が短いからといって、適当な査定をされているわけではありません。

家の査定価格は、送ったデータを基に査定する机上査定でほとんどすべて完結しているのです。

よほど室内に異常がない限り、取引事例比較法で査定価格はほぼ確定します。
僕たちが訪問査定で見るのは、購入希望者がこの家を見てどう思うかという点につきますね。

取引事例比較法とは

査定物件と同じエリアで、過去に売買が成約したときのデータを基に査定する方法を、取引事例比較法と言います。

過去のデータから現時点での価格を査定するため、景気や不動産情勢を踏まえた時点修正をして査定価格が算出されます。

不動産会社が見るポイントは室内の設備

お風呂のグレードを確認する不動産会社さん

お風呂のグレードを確認する不動産会社さん

不動産会社が訪問査定で見るのは、「購入希望者がこの家をどう思うか」だと言います。

家島家はトイレの壁紙を変えてます

家島家はトイレの壁紙を変えてます

具体的に注目しているポイントは、室内の設備です。グレードの高い設備が整っていると、購入希望者もいいなと思いますよね。自動食洗器や床暖房、浴室乾燥機など。
最近ではトイレの壁紙が室内の壁紙と違うデザインも人気です。
そういう設備は間取りだけではわからないですもんね。
そうなんです。グレードの高い設備の1個や2個で価格は変わりませんが、10個くらい積み重なると価格にも影響してきますね。

訪問査定で大切なのは査定の後

過去の売買事例を見ながら

過去の売買事例を見ながら

話がそれましたね。肝心の査定価格なんですけど、2680万円が基本の価格です。強気に売り出すなら2780万円でも売れなくはないかなと思います。
購入したときよりも値段が上がってる!?
実は、この辺り全体で一戸建て住宅の価格が軒並み上昇しているんですよ。
ちなみに、斜め向かいの家がつい最近2500万円で売却されてますね。
へぇー、知らなかったです…。
近くに新築が建売りされているのはご存知ですか?土地面積も間取りもほとんど同じなんですけど、今3180万円で売りに出されてますよ。
ここが築8年なので、その分を差し引いても2680万円なら戦える金額ですね。
なるほど!それならその価格も納得ですね。
ただ、あまりにも家の価格が上がっていくもんだから、お客さんがついてこなくなっているという話も聞きます。価格上昇もここら辺がピークなのかもしれないですね。
そうなんですね!じゃあ高く売りたいならいま売りに出した方がいいんでしょうか?
新築ではなくて中古の家を選ぶ人はやっぱり価格を気にしていますからね。家島さんのお宅はキレイに使われていますし、特に手を入れなくてもそのまま住める人もいると思います。
高価格で勝負できる今が売り時でしょうし、逆に売り出し価格を2480万円くらいまで下げればほぼ確実に売れるタイミングとも言えますね。

過去の売買事例などを一緒に見ながらこのような話をしていると、あっという間に30~40分が経過していました。

訪問査定で大切なのは、実は査定自体ではなく、査定後のこの時間にあるのです。

不動産会社の本音

正直なことを言うと、不動産会社は査定をしに来ているのではなくて、契約を取にきていますからね。査定価格だけを伝えて帰るということは絶対にしません。査定価格とその根拠、売却プランを伝えるだけじゃなく、最近の近辺の不動産情報などを交えながら、売主さんに信頼してもらえるように営業トークをしていきます。
たしかに仕事としてきてもらっているんだから当然ですよね。その話を聞くと、営業トークがまともにできない担当者だとあまり信頼できないって思ってよさそうですね。

査定価格の根拠や売却プランの説明をよく聞き、不動産会社を選ぼう

営業トークを聞いたうえでどうやって不動産会社を選ぶのが良いかを、あえて不動産会社さんに直接聞いてみました。

相性と言ってしまえばそれまでなんですが…。話のテンポが合う・合わないとか、話している内容がピンとこないとか、査定価格の説明が納得できないとかそういったことですかね。家の売り出しから引渡しまでってわりと長期間なので、相性が悪い担当者には頼まない方が無難ですね。
なるほど、そこは売主の感覚で決めてしまっていいんですね。
合わない人を候補から外して、残った担当者と一般媒介契約を結んでもいいわけですから。
一般媒介契約なら複数の不動産会社と契約できるので、その方法もありますね。

気になるあれこれQ&A

家の査定で気になる質問を、不動産会社さんに直接ぶつけてみました。

私がお答えします!

 

今回査定に協力していただいた不動産会社はこちらの不動産会社です。

家売る幸作_いなお不動産様インタビュー記事リンク用バナー

Q1.訪問査定で査定価格は上がる?

家の価格は、100万円単位で上下することがほとんどです。訪問査定をして、思ってたより室内がキレイだったから、床暖房完備だったからという理由だけで査定価格が上がることはまずないですね。
机上査定の段階で、確実に売れるだろうなという価格、平均的な価格、強気な価格を用意しているので、訪問査定をした結果でそのどれで行くかを決めるという感じです。

Q2.訪問査定の前に掃除をしておいた方がいい?

掃除がされていなくても査定をすることはできます。掃除がされていなかったからといって査定価格が下がることもありません。
ただ、内覧を行う前は必ず掃除をしておいた方がいいのは間違いありません。

Q3.見られたくない押し入れの中も見せなきゃダメ?

押し入れは無理に見せなくても大丈夫

押し入れは無理に見せなくても大丈夫

押し入れやクローゼットを見せたくない場合は、無理に見せる必要はありません。見取り図などがあればある程度の奥行や広さはわかります。
内覧のときも別の空家に案内して「先ほどのクローゼットはこれくらいのスペースです」と案内することも可能なので大丈夫です。

Q4.壁に子どもの書いた落書きが…。査定価格に影響しますか?

子どもの落書き

家島家にも子どもの落書きが…

壁の落書き程度では査定化悪には影響しません。タバコのせいで壁紙全体が黄ばんでいたりするとさすがに価格を落とすこともあります。
落書き程度なら、こちらから購入希望者に「クロス貼り替え分値引きしてもらいましょう」と案内することもできますよ。

Q5.訪問査定は無料ですか?

机上査定も訪問査定も、不動産会社の査定は無料で依頼することができるので安心してください。訪問査定の場合に、現場までの交通費を請求することもありません

Q6.他の不動産会社に査定価格を伝えても平気?

他社に「他の不動産会社は〇〇円だった」と言っていただいても結構ですし、こちらに他社の査定価格を言っていただいても大丈夫です。
査定価格はあくまでも査定価格なので、他社の価格で売り出したいと売主さんが決めたのであれば、その価格で売却ができるようにサポートします。

Q7.訪問査定は日当たりがわかる昼間の方がいい?

夜に査定を受けても大丈夫です

夜に査定を受けても大丈夫です

事前に地図や見取り図で物件を把握しているので、どの時間帯にお呼びいただいても、日当たりなどを考慮した査定が可能です。

Q8.相場とかけ離れた高額な査定価格って怪しいの?

その査定をした不動産会社がどんな情報を持っているのかがわかりませんが、基本的に怪しんだ方がいいでしょう。
すでにその値段で考えている購入希望者の情報を持っているというのであれば話は別ですが。それ以外の理由なら、何の根拠もなく、契約を取りたいだけの査定価格である可能性が高いです。

Q9.できるだけ近所の不動産会社に査定を依頼する方がいい?

不動産仲介業を営む不動産会社は、売りにも買いにもお客様をもっています。中でも買いのお客様に関しては、遠方のお客様はほとんどおらず、基本的には近隣の方のみです。そうなると、おのずと近隣で家を探している人の情報が集まってくるので、彼らが捜している家の価格相場を常に肌で感じていることになります。
近所の不動産会社に査定を依頼するメリットとしては、より購入希望者の感覚に近い査定価格を教えてくれるというものがあります。
最適な価格を知るという上では、近所の不動産会社にも査定を依頼しておくのがおすすめです。

まとめ:訪問査定は不動産会社選びと心得ることが大切

訪問査定は思っていたより単純なんだと思われた方・実はその通りなのです。

準備しておくことと言えば、相場を調べておくこと複数社に依頼することの2つだけ。

実際に不動産会社が査定に来ても、家の中を見て回るのは10分~20分程度で、あとは30~40分ほど不動産会社の営業トークを聞けば訪問査定は終了します。

大切なのはこの営業トークをしっかり聞くことです。

不動産売却を成功させるために、担当者の話をしっかり聞いて信頼できるパートナーを選ぶようにしてください。