瑕疵担保責任とは

2018/05/21 投稿 2019/03/15更新

コンビニで商品を購入するとき、商品が不良品だと思って購入する人はいないでしょう。

なので、万が一購入した商品が不良品だった場合には、お店に返金を要求したり、新しい商品に交換してもらったりするのが当たり前だと思います。

家の売買に関して同じであり、売主は売却した一戸建て・マンション・土地などに対して責任を負うことになります。

不動産売買にて、買主が購入した物件に隠れた欠陥=瑕疵(かし)を発見した場合、売主はその瑕疵に対して責任を負わなければいけません。これを瑕疵担保責任と言います。
もう売った後のことなのに責任があるの?
考え方としては普段の買い物と同じです。ただし、不動産の売買は高額な売買になるため、個人が売主の場合は買主との間で瑕疵担保責任を負わない特約を交わせば、必ず責任を負うわけではありません。
なら安心したよ…。
いいえ。安心するのはまだ早いですよ。今回は、家を高く売るためにも知っておきたい瑕疵担保責任についてお話しますね。

瑕疵(かし)担保責任とは?

瑕疵担保責任とは、売却した一戸建て・マンション・土地などに万が一欠陥(瑕疵)が見つかった場合に売り手が負う責任のことです。

買い手は、購入した物件の隠れた瑕疵を発見してから1年以内であれば、売り手に対して損害賠償請求をすることができますその瑕疵によって居住や物件の活用が困難な場合は、契約解除を要求することもできます。

隠れた瑕疵ってどういうこと?
つまり、知らなかった瑕疵ということですね。内覧のときや不動産会社からの説明などで、買主がすでに知っていた瑕疵については、売却後に瑕疵担保責任を追及されることはありません。
じゃあ後から瑕疵担保責任を追及されないためにも、売る側は売却する不動産のすべてを事前に買う側へ伝えておくのが賢明だな。
GOOD!その通りです!

 

売主は、物件の瑕疵を知っていた場合に必ず購入希望者に伝えておく必要があります。

初めから知っていた瑕疵を伝えないのは契約違反であり、場合によっては詐欺にあたる可能性もあります。

一方で、発見された瑕疵がそもそもあった瑕疵なのか、経年によって発生した瑕疵なのかは判断が難しく、個人間の売買は2~3ヶ月間を瑕疵担保責任の有効期限として売買契約書に記載しておくことが一般的となっています。

売主が瑕疵について知っていたのにもかかわらず伝えていなかった場合には、有効期限を超えてからも瑕疵担保責任を負うことになるので注意してください。これは、買主との間で瑕疵担保責任を負わない特約(瑕疵担保責任免除特約)を結んでいた場合でも同様です。
瑕疵担保責任を負わない特約を結んでもいいんだな。じゃあ、購入希望者が値引き交渉をしてきたときに、瑕疵担保責任を結ばない特約を交換条件にするのもアリかな?
実際、瑕疵担保責任免除特約を条件に物件価格を引き下げているケースもありますからね。ただ、買主が発見した隠れた瑕疵が買主の予想を明らかに超えていた場合には責任を負うこともあります。十分に注意してください。

そもそも不動産の瑕疵とは?

そもそも瑕疵ってどういう状態なんだ?
瑕疵とは、“物が通常有すべき品質・性質を欠くこと”とされています。不動産の場合には、
・物理的瑕疵
・法律的瑕疵
・心理的瑕疵
・環境的瑕疵
の4つの種類の瑕疵があることを覚えておいてください。

物理的瑕疵

物理的瑕疵とは、土地や建物に文字通り物理的な欠陥がある状態を指します。

土地の場合には、地盤の軟弱化、土砂の崩壊を防止する擁壁(ようへき)の不良、地中深くの埋設物、土壌汚染などが物理的瑕疵にあたります。

建物の場合は、雨漏り、水漏れ、シロアリ被害、建物の片方だけが傾いている状態(不動沈下)などが物理的瑕疵にあたり、マンションの場合は共用部分の状態も関連します。

法律的瑕疵

法律的瑕疵とは、建築基準法などの法律によって土地や建物の自由な活用が制限される状態を指します。

例えば、新たな建築物の建築用地として土地を購入したにもかかわらず、その土地が現行の建築基準法では建物を建設することができないことが購入後に発覚したとします。

この場合、買主は法律的瑕疵を理由に契約解除を売主に要求することができます。

心理的瑕疵

心理的瑕疵とは、過去に事件事故があった物件であることが発覚し精神的に居住が困難な状態を指します。

例えば、物件を購入後、実は過去に自殺した人がいる事故物件だったことが発覚した場合、買主は売主に対して損害賠償請求、契約解除の要求をすることができます。

心理的瑕疵については判断の基準が瑕疵の受け手(買主)であることから、売主が気にしないようなことでも買主が気にするような内容だった場合、心理的瑕疵が認められてしまいます。

“この事実を知っていれば購入しなかった”と買主が思うような事実は必ず伝えておくように気をつけましょう。

環境的瑕疵

環境的瑕疵とは、売買した不動産自体には問題がなくても、不動産を取り巻く環境に問題があるような状態を指します。

例えば、騒音被害、公害、日照権の侵害、近くに暴力団関係施設があるなどの問題が、購入した不動産の周辺で発覚した場合、買主は売主に対して損害賠償請求、契約解除の要求をすることができます。

売主はいろんな瑕疵があることに気をつけておかないといけないな。
ひとつ朗報がありまして、物理的瑕疵に関しては国が認めた既存住宅売買瑕疵保険という保険もあるので、コチラについてもご紹介しておきますね。
おお!何それ何それ?

既存住宅売買瑕疵保険とは?

既存住宅売買瑕疵保険とは、国土交通大臣指定の住宅瑕疵担保責任保険法人の商品のことです。

売主(もしくは買主)は、検査機関に売買する物件の調査を依頼し、調査機関は調査結果を保証します。

調査・保証の対象となるのは、構造耐力上主要な部分、雨水の侵入を防止する部分です。

その後、物件の保証対象に隠れた瑕疵が見つかった場合は、売主ではなく調査機関の保証に対して責任が追及される形となり、補修費用や調査費用、転居・仮住まい費用などが保険金として支払われます。

保険料や支払いの対象、期間、保険金の額などは保険法人によって異なります。

詳しくはコチラから一般社団法人住宅瑕疵担保責任保険協会のページにアクセスしていただくか、下記の各指定保険法人まで問い合わせてみてください。

保険法人 電話番号
株式会社住宅あんしん保証 03-3562-8122
住宅保証機構株式会社 03-6435-8870
株式会社日本住宅保証検査機構 03-6861-9210
株式会社ハウスジーメン 03-5408-8486
ハウスプラス住宅保証株式会社 03-5962-3814

 

瑕疵担保責任と不動産会社の関係

そういえば、売買を仲介してくれた不動産会社には瑕疵担保責任はないの?
不動産会社が売主の場合は2年間の瑕疵担保責任があります。一方仲介の場合、瑕疵担保責任は売主個人が負う責任なので、仲介した不動産会社が瑕疵担保責任を負うことはありません。ただし、不動産会社は、物件の状態について重要事項説明書を作成し、売買契約の前に買主に伝える義務があります。

重要事項説明書

不動産売買において、不動産会社が買主に交付する重要事項説明書とは、不動産会社が売買契約の上で必要な重要事項を説明した内容を記載した書面のことです。

この中には、

・不動産の権利関係
・不動産に関わる法令上の制限
・不動産の状態やその見込み
・契約の条件

が記されており、重要事項説明書を確認した買主は署名捺印をします。

つまり、重要事項説明書に書かれていなかった瑕疵が見つかったとき、売主は瑕疵担保責任を負わなければいけないってことか!
GOOD!そういうことです!
それなら、不動産会社にはしっかりと買主に対して家の状態を説明しといてもらわないとなあ。
そうですよね。そのために、平成30年の4月に改正された「宅地建物取引業法」では、ホームインスペクションに関する内容が明記されました。
ホームインスペクション?なんだそれ?

ホームインスペクション

ホームインスペクションとは建物状況調査とも言われる住宅診断のことです。

「宅地建物取引業法」では、

“媒介契約時に不動産会社は、売主または買主にホームインスペクションを実施する業者をあっせんするかどうかを示して、売主または買主の意向に応じてインスペクション会社を紹介しなければならない”

ことが明記されました。

さらに、不動産会社は、ホームインスペクションの内容を重要事項説明書に記載しなければなりません。

また、不動産会社は、売買契約時にホームインスペクションの結果を売主と買主が双方確認したことを、売買契約書(または、契約者に交付する37条書面)に記載しなければなりません。

不動産会社に瑕疵担保責任はなくても、家の診断をすることをちゃんと売主や買主におススメしておかないとダメなんだな。
そういうことですね。ホームインスペクションをしておくことで、買主は安心して購入することができますし、費用を売主が負担すれば、瑕疵担保責任を負わない特約を結んで売買できるかもしれません。
費用ってどれくらいなんだ?
およそ15万円程度だと言われています。
それで瑕疵担保責任が免れるならお得かもね…。
ただし、ホームインスペクションで確認するのはあくまでも物理的瑕疵になりますので、その他、法律的瑕疵、心理的瑕疵、環境的瑕疵にあたる要因があるのならば、不動産会社にも正直に伝えて、重要事項説明書にて買主からの署名捺印をもらうようにしましょう。
瑕疵担保責任については、不動産会社と足並みをそろえて、キッチリ確認していく必要がありそうだな!
GOOD!不動産会社によっては、瑕疵担保責任の保証サービスを用意している業者もあります。もしもの時を考えて、瑕疵担保責任のことも視野に入れた不動産会社選びが重要ですね。

家の売却で瑕疵担保責任が心配なら、心強いパートナーを見つけよう!

不動産会社を選ぶときには、まずは複数の不動産会社を比較してみることです。

比較する中で、瑕疵物件を取り扱った経験があるか、ホームインスペクションに関する知識があるかなど、査定価格以外の部分にも注目するようにしてみましょう。

特に、相続した古い家を売却するときには、瑕疵担保責任の保証サービスのある不動産会社や、瑕疵担保責任免除特約を売却プランに盛り込んでくれるような不動産会社を選ぶことをおススメします。

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査定依頼をするときに、瑕疵担保責任についての悩みを送っても大丈夫かな?
GOOD!その悩みを解消してくれるような不動産会社を選ぶことが、納得して家を売却するための近道ですよ!

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