離婚の財産分与でモメない為に家を売る方法
2018/03/16 投稿 2019/07/04更新
3組に1組の夫婦が離婚する国、それが今の日本です。
結婚して、マイホームを購入して、そんな幸せな時期に、まさか離婚のことなんて考えてはいないでしょう。
そのため、離婚するとなったとき、夫婦共有の財産である我が家をどうするか、もめることは多々あります。
でも、家は二つに割れないし、どうやって分けたらいいんだ?
シンプルな方法としては、家を売却することで現金化してから分け合う方法(換価分割)ですね。
ただし、住宅ローンを利用して購入した家の場合は要注意ですよ。財産分与では、住宅ローンも分け合うことになりますから。
今回は、離婚の財産分与でモメない為に家を売る方法をお話ししますね。
財産分与とは?
財産分与とは、結婚期間中に取得した財産を、離婚時に分け合うことを言います。
取得した財産は、現物のまま分け合う方法(現物分与)と、お金に換えて分け合う方法(換価分与)の2つのパターンがあります。
一戸建てやマンション、土地などの不動産はどちらか一方が取有し続けるケースもありますよね。その場合は、不動産の資産価値に相当する金額を、取有する方から所有しない方に渡してあげる必要がありますね。
もちろん、全額用意しなければいけないわけではありません。財産分与は、基本的に結婚後に取得した夫婦の財産の総額を平等に2分割することになりますから。<
財産分与方法
財産分与を行う上で必要不可欠なのは、結婚後に取得した夫婦の財産をすべてリストアップすることです。
対象となる財産が全て判明すれば、その総合計を2人で分け合うことになります。
例えば、結婚後に取得した財産の総合計が4000万円だったとします。このうち、家の価値が2000万円でした。
あ!そうなると、2000万円の家だけをもらったら、残る財産も2000万円でちょうど半分だから、家の価値分のお金を渡さなくてもいいってことか!
GOOD!その通りです!では、同じく結婚後に取得した財産の総合計が4000万円で、家の価値が3000万円だったとします。
そのときは、家をもらった方が財産の75%をもらったことになるから、2等分にするために1000万円用意しなきゃいけないのか…。
なるほどな…。じゃあ、もし売却することにならなくても、家の価値を知っておく必要があるな。
財産分与のために家の査定価格を知る
現物分与にしても、換価分与にしても、財産分与を行うために、まずは家の価値を把握しておきましょう。
その際に便利なのが不動産一括査定サイトです。
売るって決めたわけでもないのに査定してもらうの?お金がかからない?
大丈夫です。不動産一括査定サイトを使えば、複数の不動産会社の査定を、スマホやパソコンからいつでも無料で依頼することができますからね。
なるほどなるほど。でも、実際に査定してもらった方が、お金にして分与するときのためにもいいかもね。
要注意!財産分与と住宅ローン
家を購入する時に、銀行などの金融機関が提供している住宅ローンを利用する人は多いと思います。
財産分与で注意したいのは、住宅ローンなどの負の財産も分け合わなければならないということです。
結婚生活で取得した財産は、プラスの財産だけではないと思います。住宅ローンなどの借金も、共有の財産として離婚時に分け合います。
現物分与なら、家に住むと決めた方が住宅ローンを払うんじゃないの?
その考え方で間違っているわけではありませんが、住宅ローン名義人が誰になっているかによっても異なります。詳しく見ていきましょう。
住宅ローン名義人が財産分与で家を所有する場合
住宅ローンの名義人が財産分与で家を所有する場合は、考え方はシンプルです。
住宅ローンの名義人が住宅ローンの支払いを続け、家に住み続けることになります。
住宅ローン名義人ではない方が財産分与で家を所有する場合
この場合、注意しなければならないのが、住宅ローンの名義人は、家の所有者が変わっても、変更することが容易ではないということです。
不動産の所有名義自体は、所有権移転登記をすることで、個人で行うことが可能です。
ただし、住宅ローンの名義は、借り入れている金融機関との契約になるので、所有者が変わったら自動的に変わるというわけにはいかないのです。
具体的な例として、夫の名義の住宅ローンで購入した家を、財産分与で妻が所有したとします。この場合、契約上は住宅ローンを払い続けるのは、住宅ローンの名義人である夫ということになります。
住んでいなくても、名義人に返済義務があるってことか…。
そういうことです。住宅ローンの名義変更するためには、残っている住宅ローンを完済するか、代わりに名義人になってくれるような人を連れてくるほかありません。
妻に住宅ローンを返済できるだけの支払い能力(給与所得やその他の収入など)があるのならば可能かもしれません。ただ、夫の単独名義で借りていた場合、金融機関は夫の支払い能力を信用してお金を貸してくれたということです。妻の名義に変更するとなると、借り入れていた金融機関の審査を通過する必要があります。
妻名義の新しいローンを借りて、残った住宅ローンを返済するっていうのはどうだろう?
妻が担保のないローン(無担保ローン)を借りることができる状況なら、金融機関の審査も通過しているでしょうね。
新しく借りたローンが、住宅ローン以上に家計を苦しめることにもなりかねませんよ。
つまり、家を現物分与するなら、住宅ローンの名義人と所有者が同一人物の方が安心できるってことか。
一般的には夫名義、または夫婦共同名義で住宅ローンを借りていることが多いでしょうから、妻が家に残る場合には困難が多いかも知れませんね。次に、財産分与と住宅ローンをめぐるトラブルについてお話しておきます。
財産分与後の住宅ローントラブル
財産分与後、住宅ローンの名義人と所有者が異なる場合に取るべき方法としては、所有者が名義人と賃貸借契約を結び、所有者が家賃を納めて、名義人はその家賃で住宅ローンを返済するという方法があります。
また、子供がいる家庭では、子供の親権のある方が家を所有し、一方が養育費や慰謝料の代わりに住宅ローンを返済するケースもあります。
しかし、名義人が住んでいない家の住宅ローンを、払い続けてくれる保証はどこにあるのでしょう。
もし、名義人が住宅ローンの支払いを怠った場合、所有者はどうすればいいのでしょう。
住宅ローンを利用して購入した家には、借り入れた金融機関の抵当権が付いています。抵当権とは、住宅ローンの返済が出来なくなったときに、担保になっていた家を差し押さえられる権利です。
つまり、住宅ローンが払われていなかったら、家を取り上げられてしまうってこと!?
所有者に支払い能力があれば、競売を免れることができるかもしれません。夫婦共有名義のローンだった場合などで連帯保証人となっていれば、名義人が返済を怠った段階で通知が来るでしょう。
じゃあ、もし知らない間に返済がストップしていたら…?
なんだってー!?ローンの名義人とはしっかり連絡を取っておかないとな…。
その通りなのですが、関係が破綻してしまった2人が、住宅ローンのためだけに連絡を取り合うのは気が引けませんか?
離婚後の夫婦それぞれの生活を考えたとき、スッキリと今までの関係を清算しておきたいのなら、財産分与は、家を売却してから現金で行うことを強くおススメします。
財産分与のために家を売る方法
家の財産分与を現金で行うためには、家を売却して現金化しなければなりません。
ただし、住宅ローンを借りて購入した家の場合には、住宅ローンを完済しなければ売却することができません。
家が売れた代金で住宅ローンが売却できれば大丈夫なんだよな?
GOOD!そのために、まずは、住宅ローンの残高と、家が今いくらで売れるのかを知っておく必要があります。
まずは、住宅ローン残高と査定価格を比較する
住宅ローンの残高は、借り入れている金融機関に住宅ローン残債照会をしてもらえばすぐにわかります。
残債照会は、基本的に名義人本人でしか照会してもらうことができませんので、注意してください。
住宅ローンの残高が分かれば、家を査定してもらい、査定価格との比較を行ってください
先ほどもご紹介しましたが、家を査定してもらうのであれば、不動産一括査定サイトを利用してみてください。複数の不動産会社の査定価格を比較することで、およその家が売れる価格の検討がつけられるはずです。
で、住宅ローンと査定価格を比べた後はどうすればいいんだ?
住宅ローンの残高よりも高い金額で売れそうなら、売却を踏み切って大丈夫です。
貯蓄などの自己資産を使って補うことができれば大丈夫です。ただ、それでもローンが残ってしまうのなら、売却すること自体を考え直す必要がありますね。
住宅ローンを返済し終えないと、さっき教えてくれた抵当権ってやつが残っちゃうから?
GOOD!いつ競売にかけられるか分からない家を買いたい人はいませんからね。
つまり、
家の売却代金(+預貯金などの自己資産)> 住宅ローン残高
にならないと家は売れないってことか。
実は、住宅ローンが残る場合でも、家を売る方法があるにはあるのです。
住宅ローンが残ったまま家を売る方法「任意売却」
住宅ローン残高の方が査定価格よりも低額な場合をアンダーローン、逆に住宅ローン残高の方が査定価格よりも高額の場合をオーバーローンと言います。
アンダーローンの場合は通常の売却の手順・流れにのっとって、売却を進めていただいて大丈夫です。
ただし、オーバーローンの場合には通常の売却はできないと言って過言ではありません。
通常の売却ができないってことは、特殊な売却の方法があるってことだな?
つまりそういうことです。住宅ローンが残っている家の売却方法として、任意売却というものがあります。
任意売却
住宅ローンを完済できなくても、金融機関から抵当権を外してもらえる売却方法。
それが任意売却です。
そんな方法があったのか!じゃあ住宅ローンが残っても心配せずに家を売ることができるな
安心、では全くありませんよ。ただ、家を競売かけられるよりはかなりマシですね。
住宅ローンを滞納して3~5ヶ月ほど経つと、住宅ローンを借りた金融機関から「期限の利益の損失」という書面が送られてきます。
こうなると、分割で支払ってきた住宅ローンを一括で支払わなくてはならなくなります。
そして、債権が金融機関から保証会社、保証会社から債権回収会社へ移ると、担保にしている家を競売にかけ、強制的な残債の回収がはじまります。
つまり、任意売却は競売を避けるための最終手段なのです。
そういうことです。“無理やり家を売ってでも、離婚と同時に財産をキッチリ清算しておきたい“という夫婦の方は、家を売却する最後の方法として、任意売却という選択肢があることを覚えておいてください。
任意売却のメリット
もちろん、任意売却にもメリットがないわけではありません。
競売による売却と違い、任意売却なら、市場の相場価格に近い金額での売却も可能です。
また、通常の売却でかかる仲介手数料などの費用も、売却代金から差し引かれるため、手元にお金がない状態でも売却することが可能です。
また、任意売却をした後、残った残債については、家という担保がない状態で返済していくことになるので、返済先である保証会社と一緒に無理のない返済計画でリスケジュールを行うことができます。
また、債権者との交渉次第では引っ越し費用を負担してくれることもあります。
競売にかけられてしまうと、近所の人にも知れ渡ってしまいますし、相場価格の50~60%程度でしか売却が見込めません。売却後に残ったローン残高についても、一括返済を求められることになります。競売後の一括返済が困難なために、自己破産の道を選ぶ方もいらっしゃいますね。
そういうことです。任意売却は、専門の不動産会社と金融機関の協力が欠かせません。「期限の利益の損失」が送られてきた時点で、任意売却が可能になりますので、競売にかけられる前に売ってしまうことが鉄則です。
任意売却のメリット
・市場相場価格に近い価格で売却されることが期待できる
・売却にかかる費用を用意しなくてもいい
・残ったローン残債は無理のない範囲で返済できる
任意売却のデメリット
住宅ローンを一定期間滞納すると、信用情報機関に登録されます。
つまり、任意売却を選択するとブラックリストに載ってしまうということになります。
また、競売同様に、金融機関がローン残高(債権)を回収するための売却であることには変わりなく、最終的な判断は、債権者である金融機関によります。
任意売却のデメリット
・信用情報機関(ブラックリスト)に登録される
・任意売却の実績が豊富な不動産会社の協力が必要不可欠
どれだけ金融機関や、担当する不動産会社と協力できるかがカギになりますね。
通常の売却で家が売れるのが一番あとくされない気がするな。
GOOD!その通りです!財産分与のために家を売るのであれば、ローン残高よりも高い金額で売るための努力が、なによりも必要不可欠です。
離婚の財産分与で家を高く売るために
離婚の財産分与のために家を現金化し、換価分与をするには、ローン残高を確実に上回れるような高い金額で売却する必要があります。
そのためには、家の売却に向けた早めの準備が必要不可欠です。
家は時が経つほどに価値が減少していく資産です。そのため、早めに売却しなければ高値で売却することは難しくなってしまいます。
つまり、財産分与に向けた家の売却は、離婚後にするのではなくて離婚前から始めた方が良いってことか!
GOOD!離婚後ですと、お互い連絡が取り合えなくなることも心配です。ある程度の期間を見ておかないといけないので、離婚が理由とは言え、じっくりと売却に立ち向えるようにしましょう。
家を売る手順と期間
家を売る流れには大きく分けて3つの段階があり、
売却準備…物件の査定、不動産会社の選定、売り出し価格の決定
売却活動…不動産会社による広告掲載、購入希望者の内覧、買主との価格交渉
契約引渡…売買契約締結、決済と移転登記手続き、買主への引渡し
このように、それらの中に9つの手順があることを覚えておきましょう。
この流れに沿っての売却は、およそ3ヶ月~半年程度の期間が必要になります。
離婚が理由で家を売る場合、どうしても早く売れて欲しい、早く売却を終わらせたいという思いがあるかと思います。しかし、早く売ろうとすればするほど高く売ることは難しいと思っておいてください。
たしかに、安い価格で売った方が早く売れそうだもんな。あ、売却理由が離婚って知られたら買い手がつかなかったりしないかな?
売却理由は確かに購入希望者が気にすることではありますが、離婚で家を売るという理由は必ず伝えなければいけないわけではありません。伝えたとしても、それが理由で売却価格が下がってしまうということはないでしょう。
安心するのはまだ早いですよ。家を高く売るに売却の準備に多くの時間が必要です。もし、早く売ることを優先するのであれば、不動産会社に直接買い取ってもらうという方法もありますが、買取は市場相場価格の70%程度までにしかなりません。
買取の価格がローン残高以下なら意味がないってことか…。
そういうことです。家を高く売るためには、アナタの家を売るのにピッタリの不動産会社を見つけて、一緒に売却を目指すことです。
家を高く売るためのパートナーを見つけよう
家を高く売るためには、不動産会社選びが非常に重要です。
大事なのは、大手不動産会社だから、地元の不動産屋だからという理由で不動産会社を決めないことです。
不動産会社を選ぶときには、
・査定価格に明確な根拠はあるか
・売りたい家と同条件、または類似条件の売却実績があるか
・売主と真剣に向き合い、一蓮托生で動いてくれるのか
これら3つのポイントに注目して選ぶようにしましょう。
そうではありません。不動産会社は、会社で選ぶのではなく担当者で選ぶということです。担当者がどんな売却方法を提案してくれるか、査定価格に根拠を持っているかを厳しくチェックして、頼れるパートナーを見つけましょう。
不動産会社との媒介方法には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約とありますが、おススメは専属専任媒介契約です。
|
一般媒介契約 |
専任媒介契約 |
専属専任媒介契約 |
契約できる
不動産会社数 |
複数 |
1社 |
1社 |
売主への
報告義務 |
なし |
2週間に1回 |
1週間に1回 |
レインズへの
登録義務 |
なし |
契約後7日以内 |
契約後5日以内 |
契約期間 |
規定なし |
最大3ヶ月 |
最大3ヶ月 |
個人間売買 |
できる |
できる |
仲介が必要 |
家を高く売るときは、二人三脚、一蓮托生で動いてくれるパートナーと売却を目指すべきです。専属専任媒介契約は売主への縛りも強いですが、不動産会社に課せられる義務も多く、最も適した媒介契約と言えます。
よく勘違いされているのですが、専属専任媒介契約でも自分で見つけてきた購入希望者と不動産取引をすることはできます。ただし、契約している不動産会社に仲介してもらう形はとらなければいけません。
そういうことです。ちなみに、売却する相手も決まっていないのに
個人で家を売ることは非常に難しく、おススメはしませんよ。
じゃあやっぱり、頼りになる不動産会社を見つけて、一緒に売却を目指すのが最善策ってわけだな!
不動産会社を選ぶために、不動産一括査定サイトを利用しよう!
頼れるパートナーを見つけるのに最適なのが、不動産一括査定サイトです。不動産一括査定サイトを利用すれば、複数の不動産会社への査定依頼を、パソコンやスマートフォンでいつでもどこからでも無料で申し込むことができます。
提携不動産会社数1600社以上!累計利用者数1000万人以上!『イエウール』
『イエウール』は2014年から運用を開始した、新興の不動産一括査定サイトです。
その成長スピードはすさまじく、わずか3年あまりで累計利用者数は1000万人を突破、掲載不動産会社数も1600社以上に達するなど一括査定サイトの急先鋒です。
提携不動産会社数が圧倒的に多く、アナタにあった不動産会社を早く見つけることができるでしょう。
不動産一括査定サイトでは、任意売却の相談もできるサイトもあります。換価分与にするのか、現物分与にするのか、どちらにせよ家の価格は知っておく必要があるので、ぜひ簡易査定の依頼だけでも試してみてください。
査定結果をしっかり吟味して、納得のいく売却が出来るようにするよ!