【新築離婚】その家どうする?リスクを抑えるためには思い切って売却を

2018/08/23 投稿 2019/03/15更新

新築住宅を購入したこと(建てたこと)が原因で離婚する夫婦がいることをご存知でしょうか。

新築住宅と聞くと、幸せの絶頂にある夫婦を思い浮かべるかもしれませんが、そうとも限らないようです。

実際に法律事務所には、新築離婚について多くの相談が寄せられていると聞きます。

いったいなぜなのでしょう。

おれの友人がさ、ついこの前まで新築を買ったって喜んでいたのに、離婚してしまったんだよ…。
お気の毒に…。となると、購入した新築住宅をどうするのかが大変ですね。
何かアドバイスしてあげたいんだけど?
なるほど。新築離婚では、今後の生活にリスクを残さない方法で家の処遇を考えなければなりませんね。
その方法、ぜひ教えてください!

 

なお財産分与を考えて、この家がいくらで売れるのか知っておきたいという方は、下記の記事から不動産会社のしつこい営業ナシで複数社に査定依頼ができる方法をご覧ください。

新築離婚とは

新築離婚とは、新築住宅を購入、もしくは発注したことが原因で夫婦がすれ違い離婚してしまうことを言います。

新築住宅を買う、建てるとなると、夫婦間で話し合う機会も多くなります。

そこで意見が合致すれば、素晴らしい生活を一緒に描けるのですが、それをきっかけに夫婦間の価値観の違いが浮き彫りになってもおかしくありません。

また、ほとんどの夫婦は、新築購入時に住宅ローンを借り入れて多額の借金を背負うことになります。

理想の住まいが手に入る喜びよりも、多額の借金を抱えることへのストレスが膨らんでしまうこともあり得ます。

こうした原因から新築離婚は発生してしまうのです。

では、新築建築中、もしくは住み始めたところで離婚をするとなったとき、その家はいったいどうすればいいのでしょうか。

壁紙の色とか間取りとか、いろいろ揉めちゃったことが原因で…なんてことがあるんだな。
そうなってしまったのなら、潔く家を売却してしまうのが得策です。

まずは自宅の価値を把握しておく

新築離婚の原因となってしまった新築住宅。

原因となってしまった限りはもう手放したい(売却したい)という方や、せっかく建てたのだから住み続けたいという方、意見が分かれるところでしょう。

売却するにしても、住み続けるにしても、まず把握しておかなければならないのが、現在の自宅の価値です。

夫婦が離婚する場合、共有財産である自宅を財産分与しなければならないからです。

財産分与とは

財産分与とは、夫婦が結婚期間中に取得した財産を離婚時に分け合うことを言います。

取得した財産は、現物のまま分け合う方法(現物分与)お金に換えて分け合う方法(換価分与)の2つのパターンがあります。

自宅の現物分与は、どちらか片方が自宅に住み続けるかわりに、それと同じ価値の財産を相手に分け与えて行います。

つまり、自宅を現物分与するのなら、家の価値がいくらなのかを知っておかなければなりません。

一方、換価分与の場合は、売却した金額を2等分し夫婦で分け合います。

しかし住宅ローンを借りて購入した家は、ローンを完済しなければ売却することはできません。

逆に、売却代金が住宅ローン残高を上回っていれば何の問題もなく売却することができます。

つまり、現物分与では住み続ける家の価値を把握するために、換価分与では住宅ローン残高と比較するために、現在の自宅の価値がいくらなのかを確かめなければいけないのです。

自宅の価値を手軽に調べられるのが不動産一括査定サイト

自宅の価値は、不動産会社に査定を依頼すれば調べることができます。

ただし1社だけの査定では、その査定価格が正確な金額かどうか判断できません。

不動産会社にはそれぞれ得意不得意があり、実績や経験も違うため、査定価格は1社ずつ異なる結果になるからです。

複数の不動産会社に査定を依頼して、査定価格の平均値を見ればより正確な自宅の価値が判明します。

複数の不動産会社に査定を依頼するなら、不動産一括査定サイトが便利です。物件の情報と売主の情報を入力するだけで、複数の不動産会社に一括で査定依頼ができますよ。
でも、たくさんの査定を依頼したら、その分お金もたくさんかかるんじゃないの?
査定をしてもらうだけなら費用はかからないので安心してください査定を依頼したからって、その不動産会社と契約する必要もありませんからね。
それならよかった!まずは家にいくらの価値がいくらなのか調べるよう言っておくよ!

新築の売買契約を解除する方法

新築住宅の売買契約は、売主が契約の履行に着手していなければ、契約後であっても解除することができます。

この場合、売買契約の締結時に支払っている手付金を納めることで、手付解除という形で契約を解除することになります。

ただし、買主が希望する間取りにするための施工や壁紙や床の材料の発注などを売主が行っていた場合は、契約を手付解除することができません。

住宅の完成後に売却するのか、それともどちらかが住み続けるのかを選ばなければなりません。

新築離婚で自宅を売却する場合の注意

新築離婚が理由で家を売るということは、売却する家が新築扱いになると思っている方は多いでしょう。

そもそも新築住宅とは、

新たに建築された住宅で誰も住んでいないもの
建築工事の完了から1年以内のもの

この2つの条件を満たす物件であることが、品質確保の促進などに関する法律(品確法)で定められています。

そのため、新築で購入した家でも、誰かが住みだした瞬間、もしくは築後1年が経過すれば中古住宅となってしまうのです。

なんだってー!?
新築離婚が理由で売却する家は築浅住宅として扱われるか、もし誰も住んでいないのなら築後1年間は新築未入居物件として扱われるでしょうね。
誰も住んでいなくても、1年経てば中古の未入居住宅か。それじゃあ、売却の準備を早めにしておかないとな。
GOOD!その通りです!

 

新築未入居物件を売却する時の注意

新築未入居の家が、中古未入居の家になる前に売却したいところですが、新築未入居住宅を売却するには、注意しておきたいことがいくつかあります。

新築プレミアム価格

売却する家が新築とはいえ、自身が購入したときの価格で売却できるわけではありません。

新築住宅は、本体の価値以外にも、新築プレミアム価格と呼ばれる

開発経費
販売経費
広告宣伝費
営業活動費(営業担当の人件費)

などが含まれているからです。

一旦人の手に渡った時点で、新築住宅はこれら新築プレミアム価格が差し引かれてしまい、まったく同じ価格の家とは呼べないのです。

新築住宅は瑕疵担保責任が10年間有効

新築未入居住宅を売却するときは、瑕疵(かし)担保責任が要注意です。

瑕疵担保責任とは、売却した一戸建て、マンション、土地に欠陥(瑕疵)が見つかった場合に売主が負う責任の事です。

中古住宅の場合は、2~3ヶ月間を瑕疵担保責任の有効期限として売買契約書に設定しておくのが一般的になっています。

しかし新築住宅は、品確法によって10年間の瑕疵担保責任を負わなければならないと定められています。

これは、新築未入居物件を売却した場合も同様で、売却までにかかった日数を差し引いた、築後10年間は瑕疵担保責任を負うことになってしまします。

個人で10年間も瑕疵担保責任を負うのはキビシイよ…。
新築を購入した不動産販売会社や施工した工務店に、債務を引き渡せないか交渉してみてください。ただし、その際は買主の許可も必要です。

買い手が受けられる固定資産税の減税措置が短い

新築住宅購入後、戸建てなら3年、マンションなら5年間、買主は固定資産税の減税措置が受けられます。

この減税措置の期間は新築の建築後からカウントされているので、新築未入居で購入した場合、購入までの期間だけ減税措置が短くなることになります。

買い手にも仲介手数料がかかる

仲介で新築未入居物件を購入した買主は、不動産会社に仲介手数料を支払わななければなりません。

この仲介手数料は、

売買代金×3%+6万円+消費税

と上限が決まっています。

買主からすれば、新築住宅を不動産販売会社から購入、または工務店に注文住宅を依頼すれば必要ない費用です。

新築と価格が一緒なら新築未入居にメリットはない

新築未入居物件は、築後誰も住んでいないことから、新築同様の価格で売却できると勘違いする方もいますがそうはいきません。

たしかに、建物自体は新築を購入するのと変わりません。

しかし、新築を購入する時と比べて、

瑕疵担保責任の有効期間が短くなる
固定資産税の減税措置の期間が短くなる
仲介手数料を払う必要がある

というデメリットがあり、同じ価格なら新築物件を購入する方が買主にとってメリットが多いのです。

つまり、新築未入居物件といえども、争奪戦が起きるほど人気の立地でないかぎり、購入時よりも安い価格で売却するほかないのです。
なんだよ~。てっきり買ったときと同じくらいの値段で売れるんじゃないかって思っていたのに…。
さらにもう一点、注意しなければならないのが住宅ローンです。
まだ注意点があるのか…。

住宅ローンが残っている家を売却するには

新築未入居物件を売却する場合、最も注意すべきは住宅ローンです。

住宅ローンを借りて購入した家は、住宅ローンを完済しなければ売却できません。

住宅ローンを借り入れた際に、その家には抵当権が設定されているからです。

住宅ローンを完済しこの抵当権を抹消しなければ、家を売ることはできません。

抵当権とは

抵当権とは、住宅ローンを融資した金融機関が持つ権利のことです。

住宅ローンの返済が滞ってしまったとき、金融機関は抵当権を行使し、住宅ローンを滞納した家を競売にかけることで強制的に残債を回収することができます。

そのため、抵当権が設定されたままの家を買う者はおらず、家を売るときには必ず抵当権を抹消しておかなければなりません。

売却時に住宅ローンが残っていたとしても、家を売却して得た代金と自己資金で住宅ローンが完済できれば問題ありません。

まずは、

住宅ローン名義人本人による住宅ローン残高の照会
不動産一括査定サイトで複数の不動産会社に査定依頼

からスタートしてください。

住宅ローン残高が売却査定価格を下回るアンダーローンの状態であれば、問題なく家を売却することができます。

新築未入居だとローンの支払いが始まってないから、ほぼ確実に住宅ローン残高が査定価格を上回るオーバーローンな気がするんだけど…?
自己資金を合わせても足りない場合は、任意売却を利用するほかないでしょうね。

住宅ローンを残して家を売る最終手段|任意売却

任意売却とは、金融機関に承諾を得て抵当権を抹消してもらい、住宅ローンを残したまま家を売却する方法です。

一見便利でありがたい売却方法に思えますが、メリットもあればデメリットも多いのが任意売却です。

任意売却のメリット

市場価格に近い価格で売却されることが期待できる
売却にかかる費用を用意しなくてもいい
残った住宅ローンは無理のない範囲で返済できる

任意売却のデメリット

信用情報機関(ブラックリスト)に登録される
任意売却の実績が豊富な不動産会社の協力が不可欠

離婚後いきなりブラックリスト入りはきついぞ…。
そりゃそうですよね。任意売却はできれば利用したくない最終手段です。

任意売却について詳しくはコチラ【ローンが残った家を売るなら|任意売却の方法とメリット・デメリット】をご覧ください。

新築離婚で家を売却するならとにかく家を高く売ってくれる不動産会社をパートナーに

新築離婚が理由で売却される家は、新築未入居物件となり新築を購入したときと同じ価格で売却することは難しいです。

それでも、自己資金と合わせて住宅ローンを完済できるだけの金額で売却しなければなりません。

そのため、新築未入居物件の売却に実績のある不動産会社を見つけて、高額売却を目指す必要があります。

新築離婚が原因の場合、離婚調停と売却期間がかぶってしまう場合も多々あります。

信頼して任せられる不動産会社をパートナーに選んでください。

不動産会社選びには不動産一括査定サイトを

不動産一括査定サイトでは、複数の不動産会社に査定依頼ができるとお伝えしました。

査定価格を比較し、いちばん高く家を売ってくれる不動産会社を選んで、売却を成功させましょう。

提携不動産会社数1600社以上!累計利用者数1000万人以上!『イエウール』

『イエウール』は2014年から運用を開始した、新興の不動産一括査定サイトです。

その成長スピードはすさまじく、わずか3年あまりで累計利用者数は1000万人を突破、掲載不動産会社数も1600社以上に達するなど一括査定サイトの急先鋒です。

提携不動産会社数が圧倒的に多く、アナタにあった不動産会社を早く見つけることができるでしょう。

不動産一括査定サイトのパイオニア!『HOME4U』

HOME4Uトップ

『HOME4U』は日本で初めて誕生した不動産一括査定サイトです。

サービス開始から17年。積み重ねてきた実績と、運用元がNTTデータという安心感は売主の期待を裏切りません。

また、1000社以上の不動産会社を比較できる一括査定サイトの中で唯一、業界トップ5に入る『野村の不動産+(プラス)』の査定を他社と同時に依頼することができます。

最大大手の不動産会社から、地元の地場中小不動産会社まで一括で比較でき、不動産一括査定サイトのパイオニアとしての地位を確立しています。

不動産会社を選ぶとき、査定価格が一番高かったからいいという訳ではありません。

家の売却は、不動産会社の査定価格通りに売れるとは限らないからです。

根拠のない高額な査定価格で、契約を取りたいだけの悪徳な不動産会社もいます。

家を高く売るための不動産会社の選び方はコチラ【家売るための重大ミッション!不動産会社選びの3大要素】で紹介していますので、必ずチェックしておいてください。

↓不動産一括査定サイトを賢く利用して家を高く売る方法はコチラ↓

家を高く売るための不動産一括査定サイトの賢い使い方

夫婦どちらかが住み続ける場合の注意

売却を選択せず、夫婦どちらかが住み続ける場合も、住宅ローンに要注意です。

住宅ローンの名義人
連帯保証人

これらの責任は、家に住んでいなければなくなるという訳ではないからです。

一般的には、夫婦共有名義の場合、夫が主債務者で妻が連帯保証人場合、夫が単独名義の場合のいずれかが多いようです。

おれの友人は夫が主債務者で、奥さんが連帯保証人だったみたい。
まずはそのケースを例に見てみましょう。

 

ケース①夫が名義人で妻が連帯保証人|夫が住み続ける場合

このケースでは、夫が住宅ローンを返済し続けることができれば何の問題もありません。

しかし、夫が返済を滞らせたときには、連帯保証人である妻が住宅ローンを支払わなければならなくなります。

こうなってしまうと、分割支払いではなく一括返済を求められることが多いです。

連帯保証人には、主債務者同様の返済義務があるため、返済の拒み続けると信用情報が登録されブラックリスト入りしてしまいます。

このような万が一の事態に備え、住宅ローンを妻が夫に代わり返済した場合、その返済費用を元夫に請求できるように約束した公正証書を作成しておくことをおすすめします。

連帯保証人って解消できないのか?
残念ながら、新たな保証人を立てるか、ローンを完済しない限り、連帯保証人は解消できません。今度は別のケースを考えてみましょう。

ケース②夫が単独名義|妻が住み続ける場合

この場合、新たなローンを組んで住宅ローンの名義を妻に名義変更できれば一番話が早いです。

しかし、専業主婦の場合や、妻の収入がパートやアルバイトによるものだった場合、ローン審査が下りないことが多いです。

そうなると、妻が住宅ローン相当額を夫に支払い続けて、夫が住宅ローンを返済するという方法があります。

ただし、元夫が住宅ローンを返済し続けてくれる保証はありません。

夫が住宅ローンを滞納し家が競売にかけられ、強制的に家を追い出されるリスクが付きまといます。

住み続けるのもリスクが大きいな…。一番は単独名義の主債務者が住み続けるってことかな。
そうですね。1人きりで家族と一緒に暮らすはずだった家に住み続けられるか疑問ですけど。
そうだよな…。潔く売却した方がいいっていう理由が良く分かったよ。

まとめ:新築離婚はリスク管理が最重要

新築離婚をしてしまうと、幸せの象徴となるはずだったマイホームが、離婚後も夫婦両方に負担を強いることになります。

今後のことを考えると、離婚を回避するのが一番の方法であるのは間違いありません。

それでも離婚が避けられないのなら、どちらかが住み続けるか、売却するかを比較しリスクを最小限に留めることができる方法を選ぶようにしてください。

一番リスクが少ない方法は、住宅ローン残高を上回る金額で家を売却することです。

ただし、新築未入居住宅という特殊な物件になるので、高額で売却してくれる不動産会社をパートナーにする必要があります。

まずは、不動産一括査定サイトを利用し、頼れる不動産会社を見つけることから、売却をスタートさせましょう。