住み替えの手順総まとめ!理想の住み替えを実現する方法
住み替えとは、文字通り住む場所を変えることを意味し、持ち家を売却して新たな住宅を購入する場合は買い替えともいいます。
理想的な住み替え(買い替え)の流れは、旧居を売って新居を買い、旧居の引き渡し時に新居に引っ越すことでしょう。
しかし、家の購入はもちろん、家の売却も多くの手順を踏むことになり、2つを同時にこなすことは非常に難しくなります。
そのため、住み替えと一言で行っても、まずは旧居を売るのかそれとも新居を買うのか、どちらから進めていくかを決めなければなりません。
住み替えの大まかな流れとは
はじめてのマイホームの住み替えは、まずなにから始めればいいのか、引越しのタイミングはいつになるのか、費用はいくらかかるのかなど不安は尽きないですよね。
マイホームの住み替えを考えているなら、まずは大まかな流れを知っておくことがとても重要です。
住み替えの流れがわかっていないと、不動産会社に行ったときに不動産会社の方の話が理解できないことが多くありますので、ここでしっかり把握しておきましょう。
住み替えの流れ
住み替えには大きく分けて4つの手順があります。
②旧居を売るor新居を買う
③新居を買うor旧居を売る
④引越し
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①資金計画
資金計画をしっかり立てることが住み替えを成功させるカギとなっていきます。
今住んでいる家(旧居)の住宅ローンはいくら残っているのか、いくらくらいの新居を購入するのかなど計画を立てていきましょう。
②旧居を売るor新居を買う
2番目の手順は、2パターンあります。
今住んでいる家を先に売ってしまうのか、新しく住む家を先に買うのかです。
どちらから先に進めるのかは、資金計画によって変わってくるかと思います。
後ほど詳しく解説していきます。
③新居を買うor旧居を売る
②の手順をどちらかにするかによってここの手順が変わっていきます。
また旧居と新居の売買を同時に行う場合は②と③を同時進行で行っていきます。
④引越し
①~③までの手順が完了すれば晴れて新居へ引越しとなります。
ただ、②の手順で新居の購入を先に進めていた場合、先に新居に引越してから旧居の売却をするというパターンもありえます。
そのときは、最後の手順が旧居の引渡しとなります。
まずは住み替えの資金計画を
住み替えの手順で一番重要なのは資金計画です。
資金計画は、あなたや家族が後で困らないために、最初にやっておくべき重要な必須過程になります。
・住宅ローンの返済見込みはあるのか
・現在の貯蓄残高
・新居の購入にかかる費用
・旧居の売却にかかる費用
・旧居の販売価格
・旧居の売却代金でローン返済はできるのか
これらをしっかりと計算して資金計画を立てていきましょう。
旧居の売却には住宅ローンの完済が必須
「マイホームを売りたい!」と思っていても、条件があるのをご存知でしょうか?
家を売るためには住宅ローンの完済をし、抵当権消耗登記を完了しておく必要があります。
通常、旧居の住宅ローンが残っていると家を売ることは出来ません。
住宅ローンを借りた際に設定された抵当権が残っているからです。
抵当権とは
抵当権とは、万が一家の所有者(債務者)が住宅ローンの返済ができなくなったとき、銀行などの金融機関がその家を競売にかけるなどして、強制的に債権を回収する権利のことです。
この権利を残したまま家を売ることはできず、抵当権を抹消するための条件が住宅ローンの完済になります。
家を売る前にローンが残っている場合は、売却代金を住宅ローン返済に充てて完済することができれば大丈夫です。
売却代金を在宅ローン返済に充てても完済できない場合は、貯蓄を住宅ローンの返済にあてます。
これで完済できるのであれば、旧居に住宅ローンが残っていても問題はありません。
しかし、それでも住宅ローンが完済出来ない場合は住み替えローン(買い替えローン)を使って返済していくことになります。
住み替えローンとは
住み替えローンは、新居購入のための住宅ローンに、旧居売却後に残った住宅ローンを上乗せして返済していく住宅ローンのことです。
便利なローンに思えますが、新居の価値以上のローンを組むことになるので、金融機関の審査も厳しくなり、返済の負担が今まで以上に増えることになります。
また、旧居の売却と新居の購入を同日に決済する必要があるため、住み替えのスケジュール管理が重要になってきます。
住宅ローン残債以上で旧居が売れるのかを確認しておこう
住み替えの資金計画で最も大事なのは、旧居の住宅ローンを売却代金と手持ちの資金で返済できるかどうかです。
住宅ローンが完済できなければ、旧居が売れずに住み替えができない可能性もあります。
複数の不動産会社に売却査定を依頼して、査定価格の平均値から旧居がいくらで売れそうなのかを把握しておきましょう。
旧居の住宅ローン残債が査定価格を下回るのであれば一安心ですが、住宅ローン残債が査定価格を上回るのであれば、住み替えローンの利用を含めた資金計画を練っていく必要があります。
不動産一括査定サイト『イエウール』を利用すれば、物件の情報と申込者の情報を一度入力すれば、最大で6社の不動産会社に査定を依頼することができます。
6社の査定額を比較して、旧居がいくらで売れるのか確認してみてください。
『イエウール』は2014年から運用を開始した、新興の不動産一括査定サイトです。
その成長スピードはすさまじく、わずか3年あまりで累計利用者数は1000万人を突破、掲載不動産会社数も1600社以上に達するなど一括査定サイトの急先鋒です。
提携不動産会社数が圧倒的に多く、アナタにあった不動産会社を早く見つけることができるでしょう。
売り先行のメリットとデメリット、手順
先に旧居を売却してから住み替えを行うことを「売り先行」といいます。
ここでは売り先行のメリットとデメリット、手順を詳しくみていきましょう。
売り先行のメリット
売り先行のメリットは大きく3つです。
・焦って家を売る必要はないので、売却金額を必要以上に下げることなく、納得できる金額で売却できる
・売却代金を旧居の住宅ローン返済に充てることができる
・売却代金が先にはっきりわかるので新居をどのくらいの値段なら買えるか資金計画が明確になる
住み替えでは資金に余裕がない限り、売り先行で住み替えをする方が一般的です。
「この家がいくらで売れるのか」と不安になりながら新居を買い、旧居とのダブルローンで重荷を増やすより、確実な余裕のある住み替えをしたい場合は売り先行にしましょう。
売り先行のデメリット
続いては売り先行のデメリットです。
・売却後タイミング新居が見つからない場合は仮住まいが必要
・仮住まいをする場合は引越しを2回行うことになる。
・居住しながら購入希望者の内覧を対応しなければならない
・住み替えローンを利用する場合は納得できなくても新居を決めざる負えない。
もし仮住まいが賃貸住宅なら、入居時の敷金礼金、毎月の家賃もかかります。
また引越しも2回行うことになるので倍の引越し費用がかかります。
売り先行で思っていたより出費がかさむという事態をさけるには、資金計画の段階で引越し費用のことも踏まえて計画を立てなければいけません。
旧居の住宅ローンが残っていて、住み替えローンを活用する場合は、新居も同時に購入しなければいけません。
旧居売却後に慌てて探すと理想からかけはなれたマイホームを購入しなければいけない場合もあります。
売り先行の手順
メリットとデメリットがわかったところで、ここからは売り先行の手順を詳しくご紹介していきます。
②旧居の売却価格の複数社で査定をする
③資金計画をたてる
④売却を依頼する不動産を決め契約
⑤売出価格を決定し販売を開始
⑥買い手からの購入申し込み
⑦買い手との売買契約
⑧決済を行い旧居の引き渡し
⑨仮住まいの賃貸or新居に引越し
売却については上記の手順になります。
買い手からの購入申し込みが来た時点で仮住まいもしくは新居の手続き、荷造りなども加わって、かなり慌ただしくなることが予想されます。
住み替えローンを利用しない場合は、新居を妥協せず、仮住まいの賃貸住宅を借りてゆっくり納得いく物件を探すようにしましょう。
つづいては新居購入手順です。
②目星をつけた物件の内覧をする
③気に入った物件が見つかれば売買契約
④住宅ローンの契約
⑤物件の引き渡し
⑥引越し
新居がなかなかいいのが見つからない、タイミングが合わないという場合は、この前に仮住まいへの引越しが加わります。
買い先行のメリットとデメリット、手順
先に新居を購入してから旧居を売却して行う住み替えを「買い先行」といいます。
買い先行のメリットとデメリット、手順も詳しくみていきましょう。
買い先行のメリット
買い先行のメリットは以下の3つです。
・納得いく理想の新居を見つけて自分のタイミングで引越せる
・仮住まいが必要ないので引越しが1回で済む
・買い手の内覧が空き家の状態で行うことができる
買い先行は先に引越してから旧居の売却になるので、ゆとりを持って引越し準備や新居の内装工事などが行えます。
また、新居に家具を運び込み、旧居を空き家状態にすることができます。
空き家になった家にホームステージングを施すことで、購入希望者が内覧で理想の住まいをイメージしやすくなります。
ホームステージングは理想の住まいをイメージさせるためにインテリアをレンタルし、ホームステージャーと呼ばれるプロフェッショナルたちが配置をデザインしてくれるサービスです。
買い先行のデメリット
次に買い先行のデメリットを確認しておきましょう。
・旧居の売却代金が不透明なので資金計画がはっきりしない
・「つなぎ融資」利用の場合、家が売却されるまで2つの住宅ローンを支払うことになる
・旧居がなかなか売れず売り急いでしまい、売り出し価格を下げてしまうことが多い
買い先行では、旧居がどのくらいの値段で売却できるのかがはっきりしない上にいつ売却できるかも時期が不透明です。
そのため、資金計画にかなりの余裕を持たせる必要が出てきます。
買い先行はある程度の資金が確保できている資金力のある方におすすめの方法です。
つなぎ融資とは
買い先行では、新居の購入資金を調達するために「つなぎ融資」を受けることが出来ます。
つなぎ融資とは、旧居の売却金でローンを完済する条件で新居の購入資金の融資を受けられるというものです。
例えば旧居の売却が決まっていない状態で、良い物件が見つかり新居に住み替えたいという場合に利用することができます。
しかし「つなぎ融資」にはデメリットもあります。
・借入期間は半年~1年という短い期間
・融資事務手数料などの諸経費がかかる
・旧居が売れるまで利子が発生する
・金利が高い
・住宅ローン控除が適用されない
などがあげられます。
買い先行の手順
資金に余裕がある、どうしても住みたい家があるというのであれば買い先行にしましょう。
買い先行の手順をご紹介していきます。
②新居の情報収集や購入相談をする
③目星をつけた物件の内覧をする
④気に入った物件が見つかれ売買契約
⑤住宅ローンの契約
⑥物件の引き渡し
⑦引越し
ここまでが買い先行で新居ご購入までの流れになります。
続いて、旧居を売る場合の手順をみていきましょう。
②売却を依頼する不動産を決め契約
③売出価格を決定し販売を開始
④買い手からの購入申し込み
⑤買い手との売買契約
⑥決済を行い旧居の引き渡し
という流れになります。
スムーズな住み替えのためには、不動産会社選びが重要
誰だって住み替えをスムーズに行って可能な限りストレスを少なくしたいですよね。
住み替えをスムーズにするには不動産会社の協力が不可欠です。
手数料などがかかってしまいますが、不動産会社に協力してもらった方が旧居の販売が上手くいくケースがほとんどです。
また旧居の売却と新居の購入、この2つの過程で別々の不動産会社を使うのはおすすめできません。
売却から購入まで全てをひとつの不動産会社にお願いするようにしましょう。
ポイントとしては、資金計画をしている段階で旧居の査定をお願いする不動産会社に住み替えを相談してみることです。
住み替えをする際の不動産会社を選ぶポイントは過去に住み替えをサポートした実績があるかどうかも重要になっていきます。
住み替えを行っていない不動産会社は手順が悪く、スムーズにいかない場合も考えられます。
住み替え案件を扱ったことのある不動産会社だと、住み替えをする方の気持ちもよく理解してくれるので親身になってサポートしてくれます。
不動産会社を選ぶ際は査定価格だけで判断するのではなく、過去の実績や住み替えを相談した際の対応も踏まえて選ぶようにしてください。
買取保証付きってどうなの?
住み替えを目的に旧居の売却を不動産会社に依頼すると、買取保証付きの契約をすすめられることがあると思います。
買取保証付きでの売却は
・期限を決めて家を売ってしまいたい
という確実な売却を求めている方におすすめの方法です。
買取保証とは、3か月ほどの旧居の売却活動をしてそれでも物件が売れない場合に不動産会社がその物件を買い取ってくれる保証のことです。
確実に物件は売れるのですが、もちろん買取価格は売出価格よりも低くなってしまいます。
平均6~8割程度安くなると考えておきましょう。
いつまでも売れない物件を持っているのは思っているよりストレスになってしまう事もあります。
旧居の住宅ローン残債が少ない、もしくはすでに住宅ローンを完済していて、重荷を早くなくしたい方は、一度買取保証付きの契約をしてくれる不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ:あらかじめ手順を知り、安心して住み替えをしよう
住み替えの手順としては、まずは資金計画をしておく必要があります。
現在住んでいる家はいくらで売れるのか、残っている住宅ローンより高いのか低いのか、それによって住み替えの手順が変わります。
今住んでいる家についてだけでなく、住み替え先の新居についても資金計画には盛り込んでおかなければならいません。
その上で、まずは家を売るのが先か、それとも新居を買うのが先かを決め、それぞれの手順で住み替えを進めていきましょう。
また、スムーズな住み替えのためには不動産会社選びが重要です。
旧居の売却と新居の購入どちらも任せられる不動産会社を見つけましょう。