一戸建ての売却相場の調べ方

2018/08/28 投稿 2019/02/27更新

現在住んでいる一戸建て住宅を売却しようと考えているのなら、いくらで売却できるのかは気になるところ。

だたし、不動産、特に中古住宅にはスーパーやコンビニなどで売られている商品と違って明確な定価がありません。

そのため、売り手と買い手が双方納得した価格が適正価格となり売買されることになります。

つまり、家がいくらで売れるのかが知りたいのなら、近隣エリアの一戸建てや、条件の近い一戸建てが一体いくらで売りに出されているか、いくらで売買されてきたかの情報を知ることがヒントになります。

また、不動産会社に査定をしてもらうことでも、相場情報を知ることができます。

不動産会社は“この価格なら、売却することができるだろう”という価格を査定価格として提示してくれます。

複数の不動産会社に査定を依頼することで、不動産を売る専門家による査定価格の相場を知ることができます。

家がいくらで売れるのかが知りたいのなら、まずは相場価格の情報を集めることからはじめましょう。

今回は、一戸建て住宅がいくらで売却できるのか知りたい方に、相場価格を調べる方法をお話します。
よろしくお願いします!

 

一戸建てを売却する前に相場価格の調べる方法

一戸建て住宅には、

売り出し価格相場
成約価格(実勢価格)相場
査定価格相場

という3つの相場があります。
まずは自力で調べることが可能な、売り出し価格相場成約価格(実勢価格)相場を調べる方法をご紹介します。

インターネットで調べることができるので、それぞれの調べ方を見ていきましょう。

売り出し価格相場の調べ方

近隣の物件がいくらで売りに出されているかを調べることで、売り出し価格相場がわかります。

多くの物件情報が掲載されている、「SUUMO(スーモ)」「LIFULL HOME’S(ホームズ)」などの不動産ポータルサイトで自宅周辺に売り出されている一戸建てがないか調べてみましょう。

インターネットで調べる以外にも、不動産会社が作成しているチラシやフリーペーパーも役に立ちます。

ただし、売り出し価格どおりに家が売れるわけではありません。

売り出し価格とは、売主がこの値段でどうしても売却したいという気持ちが加味された金額だからです。

一般的な中古住宅の売買では、購入希望者からの値下げ交渉が入るため、売主の売りたい価格通りに売却が成功することは少ないのです。

売り出し価格相場は、あくまでも売りに出されている価格の相場で、実際に売却されるときは価格が少し下がるものだと覚えておいてください。

成約価格(実勢価格)相場の調べ方

成約価格(実勢価格)とは、実際に売買が成立したときの価格です。

売り出し価格と違い売却されたときの価格になるので、いくらで売れるのかという疑問の答えに近い価格と言えます。

過去の売買履歴をさかのぼって成約価格を閲覧することができるサイトがあるので、そこで確認することができます。

レインズマーケットインフォメーション
土地総合情報システム|不動産取引価格情報検索
HowMa|全国不動産相場マップ

これらのサイトで、過去の成約価格を調べることができます。

レインズマーケットインフォメーション

レインズマーケットインフォメーション

レインズマーケットインフォメーション

REINS(レインズ)は、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営・管理している不動産流通標準情報システムです。

レインズマーケットインフォメーションでは、全国4つの指定流通機構で構成されている全国指定流通機構連絡協議会が保有する、実際に売買が行われた物件の価格(成約価格)等の取引情報を検索することができます(レインズマーケットインフォメーションより)。

一戸建ての成約価格を調べたい時は、「戸建て」側から都道府県と地域を選択し「検索する」ボタンをクリックしてください。

すると、過去一年分の取引情報のデータを閲覧することができます。

検索条件は追加できるので、細かく条件を絞って検索してください。

土地総合情報システム|不動産取引価格情報検索

土地総合情報システム|不動産取引価格情報システム

土地総合情報システム|不動産取引価格情報システム

土地総合情報システムは、国土交通省が運営する、不動産の取引価格、地価公示・都道府県地価調査の価格を検索して閲覧できるサイトです。

不動産取得者にアンケートを実施しており、その結果を元にした成約情報を検索することができます。

過去1年以上の取引情報を閲覧でき、今後の利用目的や取引の事情など、閲覧できる情報も細かく設定されています。

HowMa|全国不動産相場マップ

HowMa

HowMa

HowMa(ハウマ)は、株式会社コラビットが運営するサイトです。

不動産の匿名査定をメインに展開しているサイトですが、相場価格を調べるためにも役立ちます。

それが、サイト内にある全国不動産相場マップです。

相場情報が地図上に表示される視覚的な分かりやすさが魅力です。

カラーマークをクリックすれば詳細な成約事例を見ることができ、無料会員登録をすることで条件を絞った検索も可能になります。

 

売り出し価格相場と成約価格(実勢価格)相場はあくまで目安

相場価格を知りたい皆さんが勘違いしてほしくないのが、相場価格通りに自宅が売却できるとは限らないということです。

売り出し価格相場と成約価格(実勢価格)相場は、あくまでも他人が売却している物件から算出されたデータにすぎません。

例えば、3000万円が相場の物件だとしても、“相場より高くてもどうしてもその家に住みたい”という買主が現れれば、3500万円で売却できることもあるのです。

ただし、だからと言って相場を調べなくてもいいわけではありません。

相場を知っておかないと、一戸建ての売却で損をしてしまうからです。

もしもアナタが、3000万円という相場を知らず2500万円で一戸建てを売り出してしまうと、500万円の損をしてしまいます。

また、4000万円で売り出した結果、まったく買い手が現れずに余計な費用と時間を費やしてしまったなんてことにもなりかねません。

冒頭でもお伝えしましたが、不動産の価格は売り手と買い手が双方納得した価格が適正価格となり売買されます。

相場はあくまでも目安ですが、知らないと損をする危険性があると覚えておきましょう。

査定相場価格の調べ方

では続いて、査定相場価格の調べ方について見ていきましょう。

その前に査定価格について定義しておきます。

査定価格とは、不動産会社が物件を査定し、この価格なら売却できそうだ(売却できる)と思った価格のことを言います。

つまり同じ物件を査定したとしても、不動産会社によって査定価格はバラバラになるのです。

実際にとある一戸建て住宅を、2社の不動産会社に査定依頼を出した結果がコチラです。

↓査定結果はコチラ↓

A社の査定結果

B社の査定結果

 

幸作のリアクション

見比べると一目瞭然、2社の査定価格には500万円以上の開きがありました。

なぜ、不動産会社によって査定価格に違いが出るかというと、不動産会社によって得意とする物件の種類や、実績、抱えている顧客の情報が異なるからです。

そのため、査定価格相場を知るためには、複数の不動産会社に査定を依頼して、その査定価格の平均値を求めなければなりません。

複数の不動産会社に査定を依頼できるサイトがある

複数の不動産会社に査定を依頼するために、一軒ずつ不動産会社を回る必要はありません。

不動産一括査定サイトという、無料で複数の不動産会社に査定依頼ができるサイトがるからです。

このサイトを利用すれば複数社への査定依頼が、1~3分程度の情報入力で済ませることができます。

不動産一括査定サイトは30以上存在するので、今回は

この2つをご紹介します。

提携不動産会社数1600社以上!累計利用者数1000万人以上!『イエウール』

『イエウール』は2014年から運用を開始した、新興の不動産一括査定サイトです。

その成長スピードはすさまじく、わずか3年あまりで累計利用者数は1000万人を突破、掲載不動産会社数も1600社以上に達するなど一括査定サイトの急先鋒です。

ラインでやり取りするように査定依頼ができるので、依頼するのに必要な時間は1分あれば十分です。

提携不動産会社数が圧倒的に多く、アナタにあった不動産会社を早く見つけることができるでしょう。

TVCMでもお馴染み!『LIFULL HOME'S(ホームズ)』

LIFULL HOME'S 不動産売却査定サービス

『LIFULL HOME'S』 不動産売却査定サービス

不動産ポータルサイト『LIFULL HOME’S』が提供する不動産一括査定には、会員登録することで利用できる匿名査定もあります。

その他の不動産一括査定サイトは、個人情報を不動産会社に送ることになりますが、『LIFULL HOME’S』の匿名査定なら、個人情報を不動産会社に送ることなく査定を受けることができます

また、全国の各地の売買事例から相場を知ることができる、プライスマップというコンテンツも魅力的です。

売却から住み替えまでの流れを、このサイト1つでまかなうこともできるほど、ボリューム満点のサイトになっています。

一戸建ての査定は必ず訪問査定を

不動産の査定には、机上査定(簡易査定)訪問査定の2つの種類があります。

一戸建て住宅の査定を依頼する場合は、必ず訪問査定を選んでください。

一戸建ての机上査定は「原価法」という査定方法が使われており、築20年を超える場合は建物の価値が0円と判断されてしまうことがほとんどだからです。

中古一戸建ての査定方法「原価法」とは

原価法は、不動産の再調達原価をもとに対象不動産の売却価格を求める方法です。

簡単に言えば、今建っている家を同じ状況に建て直したときにいくらの費用がかかるかを計算して、家の売却価格を査定するということです。

ただし、同じ家を建てるわけなので、新築時から今までの使用で価値が下がっている部分は差し引いて計算します。

築20年以上の一戸建には建物の価値がない?

原価法という査定方法には、弱点があります。

それは、新築時から今までの使用で低下してしまった価値を計算する客観的な指標がないということです。

家の使用状況は各家庭によって様々です。

例えば、夫婦二人の家庭と夫婦と子ども合わせて3人の家庭では、同じ家に住んでいたとしても使用の状況は異なるため減少してしまった価値も異なるはずです。

しかし、その価値を数値として表すことは難しく、今のところ、税法上の数値である減価償却費を使って計算するのが、不動産業界の通例となっています。

減価償却費とは

減価償却費とは、資産が時の経過とともに減少していく価値のことを言います。

減価償却費は、国が決めた耐用年数によって決まります。

  耐用年数(事業用) 減価償却費相当額
木造 33年(22年) 購入金額×0.9×0.031(償却率)×経過年数
軽量鉄骨 40年(27年) 購入金額×0.9×0.025(償却率)×経過年数
鉄筋コンクリート 70年(47年) 購入金額×0.9×0.015(償却率)×経過年数

木造の一戸建ての場合は耐用年数が22年(居住用は33年)と決まっており、そのために築20年以上の一戸建て住宅は建物の価値がないと言われているのです。

このような原価法の体系について、国も是正すべきと提言しており、今後は売却時までに低下する価値について、今の計算方法が改められることが期待されます。

築20年以上の一戸建ては土地の価値から相場を探る

残念ながら、原価法がメインの査定方法となっている現状、築20年以上の一戸建ての相場は建物の価格を考えず土地のみの価格で相場を判断するのが無難です。

土地の価格は、先ほど紹介した土地総合情報システムで公示地価を調べることで確認できます。

公示地価とは、国が毎年発表している土地取引の価格指標です。

その他、土地代データというサイトでも、公示地価が分かりやすくまとめてありますので参考にしてください。

平米単価を土地の面積で掛け合わせれば、土地の価格相場がわかります。

訪問査定で本当の家の状況を査定してもらう

原価法ではどのような使用状況の家でも、耐用年数に寄ってきます減価償却費で、一律に減価修正されてしまいます。

そのため、原価法を利用する机上査定では、正確な自宅の価値を把握することができません。

査定価格の相場を出すためにも、一戸建ての査定を依頼する時は必ず訪問査定を依頼するようにしてください。

“訪問査定を受けると費用が発生するのではないか”

“訪問査定をしてもらったら契約しないといけないのか”

という不安がある方もいると思いますが大丈夫です。

不動産会社に支払う費用は、売却が成立したときに契約していた不動産会社1社に支払う仲介手数料のみになります。

査定に費用はかかりませんし、査定されたからといって契約する必要もありませんのでご安心ください。

ただし、あまりに多くの業者とやりとりするのは面倒になるので、3社~4社程度に留めておくのがおすすめです。

売却を考えているのならパートナーとなる不動産会社を選ぶ

一戸建ての売却を真剣に考えているのなら、訪問査定を依頼した不動産会社の中から、売却のパートナーとなる不動産会社を選びましょう。

一戸建てを売却するときは、不動産会社と媒介契約を交わし、買い手となる人との間に立ってもらう仲介という売却方法が一般的です。

不動産会社を選ぶときは、

査定価格に明確な根拠はあるか
売り出す物件と同条件、類似条件の物件の売却実績が豊富か
売主と一蓮托生し、売主の利益のために最善を尽くしてくれる担当者かどうか

この3つのポイントを意識して、信頼できるパートナーかどうか判断してください。

詳しい不動産会社の選び方、媒介契約の方法についてはコチラ家売るための重大ミッション!不動産会社選びの3大要素にて紹介しています。

中古一戸建ての売却価格を決める本当の価値とは

中古住宅の売却価格を決めるのは、立地要件物件要件の2つです。

“築20年以上の一戸建てには価値がない” という通説は確かに存在していますが、だからと言って中古の一戸建てが売却できないわけではありません。

所謂一等地と呼ばれるエリアに建てられた一戸建てであれば需要が高いことが予想され、築20年以上が経過していても価値のある物件として扱われます。

適切なリフォームが施された一戸建も需要が高く、価値が下がりにくいと言えます。

では、訪問査定で評価される立地要因と物件要因をご紹介します。

立地要因

アクセス

中古一戸建ての価値を決める立地要因としてもっとも重要なのが、中心地へのアクセスです。

中心地へのアクセスが整っている立地
中心地へアクセスするための駅に近い立地

一般的にこれらの立地は利便性が高いために需要があり、価値が高い一戸建て住宅と言えるでしょう。

ただし、アクセスがいい立地は、住環境が整っているとは言えないことが多いです。

用途地域

用途地域とは、国がその土地をどのように活用するか定めたルールのことです。

細かく13種類に分けられ、住居系、商業系、工業系という3つのジャンルがあります。
詳しくはコチラ【国土交通省|用途地域一覧】をご覧ください。

その中でも最も価値が高い用途地域が「第一種低層居住地域」です。

第一種低層居住地域は、建ぺい率、容積率、高さ制限など住居を建てるための条件が厳しく、周りにも一戸建てが多い地域です。

また、学校図書館、診療所は建てられるが、商業施設などを建てることができないために、住環境が整った地域ということになります。

物件要因

一戸建て住宅はマンションに比べて個別性が高く、机上査定だけでは物件要因を査定価格に反映してもらえません。

訪問査定にて正確な価値を査定してもらい、査定相場価格を把握しましょう。

築年数

築20年以上の一戸建には建物に価値がないという通説があるために、築年数10年以内の物件のほうが人気は高いです。

ただ、築年数20年を超えている物件でも、所有者の努力やリフォームによってキレイな状態が保たれていれば、十分価値のある物件です。

一般的な間取り

生活導線がきちんと確保された一般的な間取りは、価値が下がりにくいと言えます。

逆に注文住宅で拘り過ぎた間取りを設計してしまうと、売却時にはマイナス評価になってしまう恐れがあります。

内部設備

今から20年ほど前の住居だと、キッチンに食洗器が取り付けることや、浴室に暖房乾燥機を取り付けることが流行りだした時期でもあります。

現在でもオプション扱いになっている場合が多い設備のため、内部にこれらの設備が備え付けられている場合は価値も高くなります。

データじゃわからない建物の現況は、しっかりプロに見てもらった方がイイね!
GOOD!その通りです!

 

まとめ:正確な一戸建ての売却相場を知りたいなら複数社の訪問査定がいちばん

一戸建ての相場価格は、売り出し価格相場、成約価格(実売価格)相場、査定価格相場の3種類があります。

このうち、売り出し価格相場と成約価格相場は自力でカンタンに調べることができます。

ただし、一戸建て住宅は個別性が強いために、相場価格通りに売却できるとは限りません。

自宅の一戸建てがいくらで売れるのかが知りたい時は、複数の不動産会社から訪問査定を受けて、査定価格相場を把握するのがいちばん正確です。

複数社への査定依頼は、不動産一括査定サイトでカンタンに依頼できるので、まずは『イエウール』などで物件情報を入力し、一括査定を依頼してみましょう