中古一戸建てが売れないのには理由がある?11個の原因をチェックしよう

2018/09/05 投稿 2019/03/18更新
売り出した一戸建ての買い手が全然見つからない…。

そんな場合は、以下の4つに原因があるはずです。

物件の現況
選んだ不動産会社
売り出し価格
内覧

何が理由で売れていないのか明らかにし、アナタの一戸建てを売れる一戸建てに変身させましょう。

中古一戸建てを売却するためには、どうしたら売れない一戸建てになってしまうのかを知って、それを回避すればいいのです。
なるほどな!じゃあさっそく教えてください!

売れない中古一戸建とは|11個のチェック項目

売れない中古一戸建てチェックシート

今回は、アナタの売りたい一戸建てが、売れない中古一戸建てかどうかを確認するためのチェックシートを用意しました。
11個もチェック項目が!?
1つでも当てはまるのなら、売れない中古一戸建てになってしまう可能性があります。詳しく見ていきましょう。

物件にひそむ原因とは

売り出している中古一戸建てそのものにも売却できない原因があります。

何もしなくても売れるだろうとは決して考えず、売主としてできる対策はやっておきましょう。

築年数が古すぎる

不動産会社が中古一戸建て住宅を売却査定するときは、「原価法」という査定方法をとります。

原価法は、不動産の再調達原価をもとに対象不動産の売却価格を求める方法です。

簡単に言えば、今建っている家を同じ状況に建て直したときにいくらの費用がかかるかを計算して、家の売却価格を査定するということです。

築20年以上の一戸建には建物の価値がない?

原価法という査定方法には、弱点があります。

それは、新築時から今までの使用で低下してしまった価値を計算する客観的な指標がないということです。

家の使用状況は各家庭によって様々です。

例えば、夫婦2人の家庭と夫婦と子ども合わせて3人の家庭では、同じ家に住んでいたとしても使用の状況は異なるため減少してしまった価値も異なるはずです。

しかし、その価値を数値として表すことは難しく、今のところ、税法上の数値である減価償却費を使って計算するのが、不動産業界の通例となっています。

減価償却費とは

減価償却費とは、資産が時の経過とともに減少していく価値のことを言います。

減価償却費は、国が決めた耐用年数によって決まります。

木造の一戸建ての場合は耐用年数が33年と決まっており、そのために築20年以上の一戸建て住宅は建物の価値がないと言われているのです。

適切なリフォームで価値を保つ

築20年以上の物件は、まったく売れないのかというとそうではありません。

マイナス要因に対して、適切なリフォームが施されていれば、価値の減少を抑えることができます。

国土交通省も、日本の中古住宅の流通促進に力を入れ始めており、リフォームによって高まる使用価値についても言及しています(国土交通省|「中古戸建て住宅に係る建物評価の改善に向けた指針のポイント」)

また、中古住宅の購入希望者の中には、リフォーム前提としている人もいます。

築年数が古い一戸建てなら、リフォーム費用を値引きするか、リフォーム費用をはじめから値引きした価格で売り出すことで、売却できるチャンスが増やせます。

ただし、過剰なリフォームは買い手を逃す原因にもなってしまいます。

あくまで、買い手の事を考えたマイナス面を改善するためのリフォームをするようにしてください

家を高く売るためにリフォームは必要ない

土地環境が悪い

一戸建ては、建物だけを売るわけはありません。

一戸建てを売却するということは、建物が建っている土地も一緒に売却するということです。

建物がどんなに立派でも、傾斜地に建っていたり、旗竿地に建っていたり、近隣に嫌悪施設があったりすれば、人気はなくなります。

しかし、土地の環境は売主の力で解決できる問題ではありません。

土地の条件の悪さをカバーできる別のメリットを考える必要があります。

「隣の土地は借金してでも買え」と言われるくらいですから、まずは隣家に購入の意思がないか聞いてみるのもいいでしょう。

交通の便が悪い

交通の便が悪い立地も、売却しにくい原因のひとつです。

もしかしてあなたの家はこんな家じゃありませんか?

・駅徒歩圏外
・スーパーやコンビニまで徒歩圏外
・公共交通機関の運行本数が少ない

特に駅徒歩圏外の一戸建ては、売却するためのハードルがかなり高くなります。

郊外の一戸建てを売却するのであれば、交通の利便性ではなく閑静な住宅地で過ごせるメリットをアピールしていきましょう。

また、車を所有している方や、セカンドライフを考えている人をターゲットに絞って、売却計画を立て直すのも方法です。

最大の原因は不動産会社選びの失敗

何ヶ月も前に売りに出したのに、まったく売れない…。
その最大の原因は、家そのものではなく仲介を依頼した不動産会社にある可能性が高いです。「不動産会社選びの失敗はすなわち不動産売却の失敗」と言っても過言ではありません。

悪徳不動産会社の罠|囲い込み

いつまで経っても家が売れない、そんなときは、仲介を依頼した不動産会社が「囲い込み」を行っている可能性があります。

囲い込みとは、他社から問い合わせに応じず、自らの手で買主を見つけて売買契約を成立させる違法な手口です。

自らが見つけた買主と売買させる、つまり売主と買主の両方と契約をする仲介方法を両手仲介と言います。

両手仲介自体は違法ではありませんが、両手仲介をしたいがために他社からの問い合わせに応じないでいると、宅建業法とともに民法にも違反する行為になります。

2015年にはテレビ東京の番組で、大手不動産会社が囲い込みを行っている事実が取り上げられました。

しかし、今もなお両手仲介のための囲い込みは業界内にはびこり続けています。

不動産会社はなんで両手仲介をしたいんだ?
売主と買主の両方から報酬(仲介手数料)が貰えるので、利益が倍になるからです。

不動産会社が両手仲介を狙うのは、他の不動産会社が担当する買主に家を高く売るより、自分が見つけてきた買主に安く売る方が、得られる報酬が多くなるからです。

そのためには、囲い込みという違法行為にも手を染めます。

全ての不動産会社が、両手仲介狙いではありませんが、いつまで経っても家が売れないのなら、契約している不動産会社を疑うことも必要です。

囲い込みをしているか確かめるためには、契約している不動産会社に「物件を見学したいお客様がいるのですが」と不動産会社のフリをして問い合わせてみることです。

身に覚えがないのに「すでに売約済みでして」と言われれば、囲い込みをしていることになります。

一戸建ての売買実績が少ない

不動産会社にはそれぞれ得意不得意があります。

一戸建ての売却が得意な不動産会社もいれば、マンションの売却が得意な業者、土地の売買に長けた業者など様々です。

アナタが契約した不動産会社は、はたして中古一戸建ての売却が得意な不動産会社でしょうか。

不動産会社との契約は、最大で3ヶ月まで(更新可)ですので、3ヶ月経っても売却の手ごたえがなければ、違う不動産会社と契約しなおすことも考えてみてください。

その際は複数の不動産会社に査定を依頼し、査定価格と担当者の対応力を比較しましょう。

中古一戸建ての売却が得意な不動産会社ならば、査定価格にその自信が反映されます。

一戸建てを得意とする不動産会社なら、

“この条件の一戸建てを欲している購入希望者を知っている”
このエリアの一戸建てなら何度も売却してきたら高額で売却できる自信がある”

となるからです。

ただ、不動産のプロでもない限り、どの不動産会社が一戸建ての売却を得意としているかを判断することはできません。

だから、複数の不動産会社に査定を依頼して査定価格を比較することで一戸建てを高く売ることができる不動産会社を見つけるのです。

複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるサイトがある

複数の不動産会社に査定を依頼するために、一軒ずつ不動産会社を回る必要はありません。

不動産一括査定サイトという、無料で複数の不動産会社に査定依頼ができるサイトがるからです。

このサイトを利用すれば複数社への査定依頼が、1~3分で完了します。

数あるサイトの中でも、1700社以上の不動産会社と提携している『イエウール』なら、これまで売れなかった一戸建てを売却してくれるパートナーを見つけることができるはずです。

また、運用実績17年、業界最大手の不動産会社と地場中小の不動産会社両方を一括で比較できる『HOME4U』もおすすめです。

累計利用者数No.1!『イエウール』

イエウールLPファーストビュー

『イエウール』は2014年から運用を開始した、新興の不動産一括査定サイトです。

その成長スピードはすさまじく、わずか3年あまりで累計利用者数は1000万人を突破、掲載不動産会社数も1700社以上に達するなど一括査定サイトの急先鋒です。

提携不動産会社数が圧倒的に多く、アナタにあった不動産会社を早く見つけることができるでしょう。

契約方法が適切でない

不動産会社との契約方法は3種類あります。

一般媒介契約
専任媒介契約
専属前任媒介契約

家が売れないと悩んでいるアナタ、もしかして一般媒介契約で、複数の不動産会社と契約していませんか?

  一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約できる
不動産会社数
複数 1社 1社
売主への
報告義務
なし 2週間に1回 1週間に1回
レインズへの
登録義務
なし 契約後7日以内 契約後5日以内
契約期間 規定なし 最大3ヶ月 最大3ヶ月
個人間売買 できる できる 仲介が必要

一般媒介契約は、複数の不動産会社が売却のために動いてくれると思われがちですが、それは超がつくほどの人気物件の場合のみです。

不動産会社が仲介で得られる報酬は、売買を成立させた不動産会社のみが手にすることのできる仲介手数料のみなので、不動産会社にとって一般媒介契約は、タダ働きをする可能性がある契約方法なのです。

つまり、競いあって売却活動をしてくれるどころか、余計な費用をかけたくないために放置されてしまう危険があります。

ただでさえ中古一戸建ては売却しにくい物件です。

不動産会社との契約方法は、1社とだけ契約する専属専任媒介契約を選び、不動産会社と利益をシェアする気持ちで売却にのぞみましょう。

ただし、専属専任媒介契約を結んだのなら、囲い込みが行われないかどうかしっかり不動産会社を監視するようにしましょう。
こまめに連絡を取り合って、売却活動をチェックしないとな!
GOOD!その通りです!

 

売り出し価格が高すぎる

売却中の一戸建て、適切な売り出し価格ですか?

不動産の価格には定価がないので、市場の相場によって売り出す適正価格は左右されます。

そして、売り出し価格の高い安いを決めるのは、売主でも不動産会社でもなく購入希望者です。

購入希望者に割高な物件だと思われて、売れない中古一戸建てになってしまわないように、売り出し価格を見直しましょう。

相場価格と比較して割高すぎる

中古一戸建ての売り出し価格を決めるときには、相場価格を知っておかなければなりません。

買い手は、住みたい一戸建ての条件と、その条件の一戸建てを購入するための相場を調べて住まい探しをしています。

そのため、条件に一致する一戸建てが見つかったとしても、相場よりも割高な物件は、候補から外れてしまう可能性が高くなります。

中古住宅購入者がなぜ中古住宅を選んだのかを見ると、手ごろな金額だからという意見が多くを占めています(国土交通省|「住宅市場動向調査」より)

このことからも、相場よりも割高でお手頃感の無い中古一戸建ては、売れ残ってしまう可能性が非常に高いと言わざるを得ません。

マスは相場価格を調べて、適切な売り出し価格を把握しておきましょう。

>家を売る前に相場を知ろう!「成約相場」がわかるおススメサイト!

ポータルサイトの検索されにくい価格設定

アナタの中古一戸建てが売れ残っているのは、検索で表示されにくい中途半端な売り出し価格が原因かもしれません。

中古住宅購入者の半数以上が、インターネットで物件情報を検索していることが、不動産流通推進センターの調査でわかりました。

物件情報の検索でよく利用されるのが、「LIFULL HOME‘S(ホームズ)」や「SUUMO(スーモ)」など、中古住宅を検索できる不動案ポータルサイトです。

売れない中古一戸建てにならないためには、ポータルサイトで検索されやすい価格設定が求められます。

LIFULL HOME'S 中古一戸建て検索

画像は、ホームズの中古一戸建て検索画面です。

ホームズでは、500万円きざみで売却価格を選択し物件情報を検索する仕組みになっています。
検索されやすい価格設定とは、この仕組みを利用して、買い手の目にとまりやすい価格設定にするということです。

相場価格よりも売り出し価格が下がってしまうこともあるでしょうが、思い切って端数をカットする方が、売れ残ってしまうことよりもリスクを抑えて売却することができます。

査定価格=売却価格ではない

不動産会社の査定価格どおりに家が売れるとは思わないようにしましょう。

不動産会社の査定価格は、この金額なら売れそうだと不動産会社が決めた価格であって、売却価格を決めるのは買い手だからです。

明確な根拠や、売却プランの無い査定価格を信用しすぎないようにしましょう。

内覧の失敗

内覧に購入希望者がやってくるのであれば、売却までもうあと少しです。

しかし内覧は、中古一戸建てが売れるか売れないかの最大の山場でもあります。

徹底的な掃除をしていない

内覧では、徹底的な掃除をしておくことが絶対条件です。

せっかく内覧に訪れた購入希望者が、掃除のされていない家に案内されて、購入を決断してくれるでしょうか。

答えはカンタンですよね。

内覧にそなえて、家の掃除は徹底的に行っておきましょう。

水回りの掃除は特に重点的に

汚れが一番気になるのは、水回りです。

ただ、水回りの汚れはがんこで落ちにくいものが多いので、プロのハウスクリーニング業者に依頼するのも方法です。

ハウスクリーニングでは、部分的なクリーニング依頼をすることもできるので、水回りだけを依頼することも可能です。

ハウスクリーニング業者の比較サイト「ハウスクリーニング比較.com」によれば、

シンク回り:1万6200円から
トイレ:1万200円から
洗面台:1万300円から
浴室:1万6200円から

で依頼可能なので、水回り全てを依頼しても5万2900円からで済みます。

手間をかけるよりプロに任せた方が安心、という方におすすめです。

住んでいたからこそわかる自宅の魅力を伝えていない

内覧に来た人が求めているのは、目で見てわかる情報だけではありません。

実際に住んでいた人にしかわからない情報も欲しています。

もし、内覧を不動産会社に任せきりにしているなら、必ず売主本人も内覧に参加するようにしてください。

不動産会社から聞くよりも、住んでいた人から聞く方が説得力があり、家の魅力も伝わりやすくなります。

ホームステージングを利用する

内覧を成功させるコツとして、ホームステージングをご紹介します。

ホームステージングは、購入者目線で売却物件にインテリアコーディネートを加えるサービスです。

まるで新築住宅のような演出で、見学者に理想の新生活を想像させることができます。

日本ホームステージング協会の調査には、売却期間が3分の1に短縮し査定価格が平均23万円アップしたというデータもあり、中古住宅流通のための有効活用が期待されるサービスです。(日本ホームステージング協会|ホームステージング実態調査

日本ではまだ認知度が低いですが、中古住宅の売買が盛んな欧米では、売却のためにホームステージングを利用するのが一般的です。

ホームステージングを利用して、売れない中古一戸建てを脱却しましょう。

ホームステージングっていくらくらい費用がかかるの?
日本ホームステージング協会によると、ホームステージングにかかった費用の平均は18万円だったそうです。

まとめ:11個の原因を改善し、目指せ!売れる中古一戸建て

今回は、中古一戸建てが売れない理由になる11個の原因を紹介しました。

・物件の現況
・選んだ不動産会社
・売り出し価格
・内覧

これらの中に11個の売れない理由・原因が潜んでいます。

今まさに、売れない中古一戸建てに悩んでいるのなら、売れない中古一戸建てチェックシートで、売却中の一戸建てをチェックし、ひとつずつ売れない原因を改善していきましょう。

中古一戸建てが売れない最大の原因は、契約している不動産会社にある可能性が高いです。

複数の不動産会社に査定を依頼し、今ならいくらで売れるのかをもう一度確かめておきましょう。