マンション売却にかかる仲介手数料の計算方法
マンションを売却するためには、必要な費用がいくつかあります。
その中でも大きなウエイトを占めるのが、不動産会社に支払う仲介手数料です。
「仲介手数料がいくらになるのか」
それが事前に分かれば、マンション売却の資金計画を事前に建てることができます。
マンション売却時の不動産仲介手数料とは
マンションの売却方法には、
不動産会社に直接マンションを買い取ってもらう買取
不動産会社ぬきで売買を行う個人間売買
という3つの方法があります。
この中で、仲介手数料が発生するのは、文字通り仲介で売却したときのみです。
しかし、それ以外の方法を選んだからと言って、手元に多くのお金が残るとは限りません。
仲介手数料は安心・納得の取引のための手数料
買取の価格は、仲介で市場に売りに出すときよりも20~30%低い金額になります。
また、買い手を探して個人間売買をするなら、不動産会社が行うような宣伝活動を実費で行う必要があります。
マンションほど高額な商品を売買するなら、安心して、納得して売買したいですよね。
不動産会社に払う仲介手数料はその安心や納得の売買を行うために支払う料金になのです。
仲介手数料はマンション売却の成功報酬
売却を依頼することになる不動産仲介業者は、不動産を売る人と買う人を仲介することを生業としています。
彼らは、ポータルサイトに物件情報を掲載したり、チラシをポスティングしたり、購入希望者の内覧に立ち会ったりと様々な売却活動を売主に代わって行ってくれます。
そして、マンションの売買契約が成立して初めて、不動産会社に仲介手数料を支払うことになります。
仲介手数料は、不動産仲介会社の売却活動に対する成功報酬だと考えてください。
ただし、あくまで通常の業務範囲内の売却活動に対しての報酬になりますので、通常業務の範囲を超えた特別な広告宣伝費などは、別途売主が負担する必要があります。
もし、不動産会社が“よかったら、別途〇〇で広告を出しましょうか?”などと聞いてきた場合は、仲介手数料の範囲内で広告してくれるのか確認するようにしてください。
仲介手数料の計算方法
仲介手数料は宅地取引業法によって上限が定められています。
不動産売却の際の仲介手数料の上限は以下の表の通りです。
売買価格 | 報酬額の料金率 |
---|---|
~200万円の部分 | 取引額の~5% |
201万円~400万円の部分 | 取引額の~4% |
401万円~の部分 | 取引額の~3% |
たとえば1000万円の売却価格だと
になります。
この計算式の+6万円とは、料金率の調整費です。
売却金額の部分ごとに料金率が異なるため、最後に6万円をプラスして帳尻を合わせます。
が基本的な上限だと思っておいてください。
ただ、上限があるとはいえ、ほとんどの不動産会社が上限いっぱいに仲介手数料を設定しているので、資金計画を立てるなら、この計算方法で仲介手数料の額を算出してください。
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仲介手数料を支払うタイミング
仲介手数料を支払うタイミングは2回あります。
1つ目は売買契約成立時、2つ目は物件引渡し時です。
売買契約成立時ではまだ最終的な物件の引渡しが行われておらず、万が一のことを考えて半額を先払いする、ということになります。
不動産会社の仕事は、契約した売主の売買契約成立させることです。
売買契約成立時に、契約書に記載された目的が達成できた以上、その後引き渡しが行われなくても、仲介手数料を支払わなければなりません。
不動産会社と契約するときは、仲介手数料を支払うタイミングにも気をつけながら、契約書をよく読んでおくようにしましょう。
資金計画のために把握したい仲介手数料以外の費用
マンション売却のためには、仲介手数料以外にも、
・住宅ローンの完済のための繰越返済手数料と抵当権抹消登記費用
(住宅ローンが残っている場合)
がかかります。
印紙代(印紙税)
印紙代は、本来であれば、売買契約書に貼る収入印紙で納める税金(印紙税)のことです。
マンションくらい高額な商品の売買では、売り手と買い手の間で売買契約書を用意することが通例です。
納める印紙税の額は、国税庁が定めており、売買契約書に記載された金額によって、下記の表のように異なります。
売買契約書に記載された金額 | 収入印紙代(印紙税) |
---|---|
101万円~500万円 | 1000円 |
501万円~1000万円 | 5000円 |
1001万円~5000万円 | 1万円 |
5001万円~1億円 | 3万円 |
1億1円~5億円 | 6万円 |
不動産譲渡契約書(売買契約書)の印紙税額
抵当権抹消登記費用と繰上返済手数料
住宅ローンを借りて購入したマンションを売却する場合、決済完了までに住宅ローンを完済しておく必要があります。
つまり、現在の住宅ローン残債も把握しておかなくてはなりません。
住宅ローンを完済すると、マンションに設定された抵当権を抹消することができます。
抵当権とは、住宅ローンを融資した金融機関が持つ権利のことです。
ローン債務者が、万が一住宅ローンを滞納すると、金融機関は抵当権を実行して、抵当権が設定されたマンションを競売にかけて、強制的にローンの残債を回収することができます。
そのため、住宅ローンを借りて購入したマンションを売るときは、住宅ローンを完済して、この抵当権を抹消する必要があるのです。
抵当権の抹消は、住宅ローン完済後に、金融機関から届く書類を法務局に持ち込んで行います。
ただし、この手続きは専門性が高く、素人では困難なため司法書士に依頼して完了させます。
繰上返済手数料
また、売却代金を使って、住宅ローンを完済した場合は、繰上返済のための手数料を、借り入れていた金融機関に支払わなければなりません。
よって、売却代金を使ってローンを完済するのであれば、銀行にて決済の手続きを行うことになります。
繰上返済の手数料は金融機関ごとに異なりますので、借り入れている金融機関のサイトをチェックしておきましょう。
ちなみに、メガバンク3行の場合、
・三井住友銀行が2万1600円
・みずほ銀行と三菱東京UFJ銀行が3万2400円
となっています。
マンション売却後に納める税金とは
マンション売却のための資金計画には、納めなければならない税金も加えておきましょう。
ただ、税金を納めなければならないのは、マンションを売却した人全員ではありません。
マンションを購入した金額より、高い金額でマンションを売却し、利益が発生した人だけが不動産譲渡所得税を納めることになります。
不動産譲渡所得税の計算方法
不動産譲渡所得税は、不動産を売却したことによって、儲けがあった人が納めなければならない税金です。
購入金額に比べて、どれだけ高い金額で売却できたかによって、納める税金の額(課税譲渡所得金額)が変わります。
ただし、建物は経年によって劣化していくので、その劣化に相当する金額(減価償却費相当額と言います)は控除して考えなければなりません。
なので、課税譲渡所得金額の計算方法は、
売却代金 -(購入金額-減価償却費相当額+購入費用)- 売却費用
になります。※カッコ内の計算から算出される金額を取得費と言います
不動産譲渡所得税は、マンションを売却した翌年の確定申告で納めることになります。
控除を受けるためにも、確定申告が必要になりますので、マンションを売って儲けが出たのであれば、必ず確定申告に行くようにしましょう。