高く売れると税金がかかる?家を売る前に「譲渡所得税」を知ろう!
家を売ると税金がかかると聞いた幸作。
満足のいく売却はできたものの、不安が残っているようです…。
誰が税金を納めるのか?
家を売って税金を払わなくてはいけないのは、家を売って儲けがあった人です。
儲けがあった人が払う税金のことを、不動産譲渡所得税といいます。
税金を納めるのは売却によって収益があった人です。
3500万円で購入した家を3000万円で売却したのなら単純に考えて500万円のマイナス、譲渡損益が出ているように見えます。
しかし、課税対象となる譲渡所得はこのような単純な計算では算出できないのです。
税金がかかるのはいくら?|課税譲渡所得金額の計算方法
税金がかかる対象となる収益を「課税譲渡所得額」と言います。
課税譲渡所得額は「譲渡収入」から「取得費」や「譲渡費用」を引いた金額にあたります。
譲渡収入とは
譲渡収入はシンプルに売却した不動産の売却金額です。
1000万円で売れた家の譲渡収入は1000万円になります。
譲渡費用とは
譲渡費用は譲渡するのにかかった売却費用の総額になります。
仲介手数料(103万6300円)+印紙税(1万円)+登記費用(3万円)=107万6300円
くらいだな。
より詳しい譲渡費用の項目は国税庁のホームページに記載がありますのでご覧になってみてください。
(家を売ったときの費用について知りたい方はこちらへ!)
取得費とは
減価償却費とは
減価償却費とは建物が経年によって失われていった価値のことです。
建造物の構造によって国が耐用年数を定めており、それに応じて減価償却率が決まっていきます。
非事業用住居の構造別減価償却率
耐用年数(事業用) | 減価償却費相当額 | |
---|---|---|
木造 | 33年(22年) | 購入金額×0.9×0.031(償却率)×経過年数 |
軽量鉄骨 | 40年(27年) | 購入金額×0.9×0.025(償却率)×経過年数 |
鉄筋コンクリート | 70年(47年) | 購入金額×0.9×0.015(償却率)×経過年数 |
住宅用建物の場合、上記のような耐用年数と償却率になります。
そして、減価償却費相当額は
によって算出されます。
なお、土地に対しては減価償却はありません。
2000万円×0.9×0.015×6=162万円
が減価償却相当額だ。
購入のときにかかった諸費用とは
仲介手数料(119万円8800円)+印紙税(1万円)+登記費用(3万円)=123万8800円
くらいになるな。
取得費の計算方法
3500万円+123万8800円-162万円=3461万8800円
だな。
課税譲渡所得額の計算方法
譲渡収入-取得費-譲渡費用だから
3000万円 -(3461万8800円+107万6300円)=マイナス569万5100円
…って、マイナスなんだけど?
家を売って利益があったら税金は収めなきゃダメなのか
5000万円 -(3461万8800円+168万4800円)=1369万6400円
ね。
長期譲渡所得税と短期譲渡所得税
家を売ったときにかかる譲渡所得税は、売却する物件の所得期間によって税率が異なります。
所得期間が5年以下が短期譲渡所得、5年と1日以上が長期譲渡所得となります。
それぞれの税率の違いは以下の通りです。
|
譲渡所得の税率 (所得税+住民税) |
課税譲渡所得 1000万円の場合 |
---|---|---|
短期譲渡所得 | 39%(30%+9%) | 納税額:390万円 |
長期譲渡所得 | 20%(15%+5%) | 納税額:200万円 |
所得期間による譲渡所得税率の違い
ちなみに、5年というのは売却した年の1月1日時点で判断するので注意してください。
2012年12月1日に購入した物件を
2018年1月1日に売却すれば長期譲渡所得
2017年の12月31日に売却すれば短期譲渡所得になります。
なお、売買契約日か引渡し日、どちらを譲渡した日とするかは納税者にゆだねられています。
譲渡所得税の計算方法
1369万6400円×20%=273万9280円
うわ!かなりかかるなぁ。
1369万6400円×39%=534万1596円
かかりますね。
マイホームを売ったときには、「居住用財産の売却における3000万円の控除」がほとんどの場合で適用されます。
したがって、マイホームを売っても課税譲渡所得が3000万円以上にならない限り税金を支払わなくて済みます。
ただし、控除を利用するためには確定申告が必要ですので注意してください。
不動産譲渡所得税の特別控除の特例についてはコチラ【知って得する5つの控除|我が家を売るときの税金を減らす方法とは?】をご覧ください。
税金の心配をせず、家を売る時は高く売るための努力を
課税譲渡所得=譲渡収入 -(取得費+譲渡費用)- 3000万円(控除額)
で考えて、その範囲内でまずは高く家を売るための努力をする方がいいってことだな!
もちろん家を売る前に税金のことで不安になるのも当然です。
それだけ不動産売却には大きな金額が動きます。
今回のお話で税金への不安が解消されたなら、まずは家を高く売るために行動を開始しましょう。
そのためは、まず不動産一括査定サイトで家がいくらで売れそうか、査定を依頼することをおススメします。
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マイホームが高く売れた分の所得は、これからのあなたをささえる資金として活用できます。
そのためにも、家を高く売る努力を惜しまず実践していきましょう。