土地を売る前に値段がいくらか調べる方法

2018/06/01 投稿 2019/01/21更新

土地を売るとなれば、いくらで売れるかは気になることでしょう。

家の価格を調べるためには、売り出されている家の中から、同じような間取りや構造をした家を見つけて予想が立てやすいですが、土地はそうはいきません。

では、売却前に土地がいくらで売れるのかを知るためにはどうすればいいのでしょうか。

たしかに、マンションとかなら部屋は違っても、同じ間取りの物件は見つかりそうだよな。
そうですね。ただ、土地となると、たとえ同じ面積であっても、用途の違いや地域の違いで価格はガラッと変わってしまいます。
なんとなくそれはわかるぞ!キレイな住宅地にあるか工業地帯の近くにあるか、都会にあるか田舎にあるか、それで値段が違うってことだろ?
基本的にはそう考えてもらって大丈夫です。
で、その値段はどうやって知ることができるんだ?
土地の売却価格は売買契約が成立して初めてわかります。家以上に、土地は固有の財産ですから。
それはわかっているけど、ヒントだけでも売る前に知っておきたいじゃないか…。
そうですよね、わかりました。では今回は、土地の売却価格のヒントを知るための方法をお教えしますね。

相場価格からヒントを知る

土地の売却価格を知るために、いちばん手早い方法が相場価格を調べる方法です。

なかでも、売り出し価格相場成約価格相場はインターネットを使って手軽に調べることができるので、土地を売る前に調べておくことをおススメします。

売り出し価格相場

土地の売り出し価格相場は、「SUUMO(スーモ)」や「LIFULL HOME’S(ホームズ)」などの不動産ポータルサイトに掲載されている物件情報から知ることができます。

ただし、売り出し価格は実際に買い手が付いた価格ではなく、あくまで売主が決めた、不動産会社の査定結果などをもとにした希望売却価格です。

買主の希望購入価格に近付けるために、値引き交渉が行われることがほとんどですので、土地の売り出し価格相場が土地の値段と一致するとは考えないようにしてください。

どのみち、まったく同じ土地なんてないんだから、参考程度に調べるようにするよ。
そのときは、近いエリアの近い条件を絞り込んでから利用するのがいいですね。

成約価格相場

成約価格相場とは、実際に土地の売り買いが成立したときの価格の相場です。

売り出し価格だけでは知ることのできなかった、実売価格をしることができるので、自分の売りたい土地の値段をより正確に予想立てすることができます。

土地総合情報システムトップページ

土地総合情報システム

成約価格の相場を知るためには、国土交通省が運営する土地総合情報システムを利用するのがおススメです。
この“不動産取引価格情報検索”ってやつを使えばいいのかな?
GOOD!取引の時期や不動産の種類、地域を選択して、過去の取引情報から成約価格相場を調べておきましょう。

公的地価からヒントを知る

公的地価とは、国や地方自治体が定期的に調査し公表している土地の公的な価格です。

土地は唯一無二の固有財産であるために、その適正な取引価格が不透明です。

その客観的な判断基準とできるように国が定めた土地の価格が公的地価になります。

公的地価には

・地価公示価格
・都道府県地価調査価格
・相続税路線価
・固定資産税路線価

の4種類があります。

地価公示価格

地価公示価格は、毎年1月1日に、1㎡あたりの土地の価値を国が調査し、3月に公表されます。

調査対象となる地域は、都市計画区域その他土地取引が見込まれる区域で定められた土地(標準地)に限定されます。

調査は1つの地点につき不動産鑑定士2名以上で行われます。

地価公示価格は、国土交通省のサイトや、先ほど紹介した土地情報総合システムで閲覧することができます。
国が決めたのなら、それが土地を売るときの値段になるってことだな!
GOOD!…と言いたいところですが、あくまで目安として国が公表している価格なので、必ずしも売買価格が地価公示価格と同じになるとは限りません。
あくまでヒントだってことね…。
そういうことです。ただし、限られた地域のみでしか正確な数値がわからないのが欠点ですね…。
標準値ってやつが、細かく設定されているわけじゃないんだな。自分が売りたい土地で地価公示価格が公表されてなかったら意味がないもんな…。
そういうときに役立つのが、都道府県地価調査価格です。

都道府県地価調査価格

都道府県地価調査価格は、地価公示価格の調査から6ヶ月後の7月1日に1㎡あたりの土地の価値を都道府県が調査し、9月に公表されます。

調査対象となる地域は、都市計画区域外を含む全域で定められた標準値となります。

調査は1つの地点につき、不動産鑑定士1名以上で行われます。

国が発表するのが公示価格で、地方自治体が発表するのが調査価格ってこと?
そういうことです。都道府県調査価格で、地価公示価格ではカバーできていないエリアの公示価格を知ることができますし、時期によっては、調査価格の方が最新の価格情報の場合がありますので、両方を調べておくといいですね。

相続税路線価と固定資産税路線価

地価公示価格と都道府県地価調査価格が取引上の適正価格の目安になっているのに対して、相続税路線価と固定資産税路線価は税金を算出するための公的地価になります。

基本的に、路線価とだけ書かれていれば、相続税路線価のことだと思ってください。

つまり、土地を売るときの値段とは関係ない?
いいえ、そうとも言い切れないですよ。それぞれの路線価にも、土地の売却価格のヒントが隠されています。

相続税路線価は、相続税や贈与税を算出するための土地1㎡あたりの評価額です。

毎年1月1日時点での価格が、7月に国によって公示されます。

固定資産税路線価は、固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税を算出するための土地1㎡あたりの評価額です。

3年に一度改定が行われ、1月1日時点の価格が4月ごろに市町村から発表されます。

それぞれの路線価は、不動産の所有者が税金を払い過ぎないですむように、地価公示価格に対して、相続税路線価は80%程度に、固定資産税路線価は70%程度になるように設定されています。

つまり、それぞれの路線価から土地の評価額を計算して、そこから10/7倍、10/8倍すれば地価公示価格に近い値段がわかるってことか!
GOOD!その通りです!
で、どうやって計算するの?
…お教えしますね。

 

相続税路線価から土地の値段を知る方法

国税庁のサイトでは、路線価図を閲覧することができます。

ただし、路線価図表を見ただけですぐに土地の価格がわかるわけではありません。

路線価図では、1㎡当たりの金額を千円単位で表示しています。

金額の後ろにA~Gまでのアルファベットが付いていますが、これは借地権割合を示しており、土地が借地の場合は、A~Gに対応して90~30%の10%ずつ割合が変化します。

相続税路線価から、相続税評価額を求める場合、

相続税路線価×奥行価格補正率×面積

で算出できます。

奥行価格補正率は国税庁によって定められています。

国税庁 奥行価格補正率

国税庁 奥行価格補正率

路線価説明用イラスト

100㎡(10m×10m)の土地

上記のイラストで、相続税路線価から土地の価格を知る方法をお教えしますね。
これは3つの道路に囲まれた100㎡の正方形の土地ってことかな?
その通りです。正方形なので10m×10mの土地になります。
道路の路線価は10万円だな。
GOOD!もしこの土地が普通住宅地区ならば、
10万円×奥行価格補正率(1.00)×100=1000万円
がこの土地の相続税評価額です。
で、この相続税評価額は地価公示価格の80%だから、
1000万円÷8×10=1250万円
がだいたいの土地の値段ってことか!
GOOD!そういうことです!その土地が借地の場合はA~Gに対応した借地権割合分が土地の評価額になります。
Dなら60%だから、750万円か!
ちなみに、複数の道路に囲まれた土地の評価額を路線価から求める場合、正面路線価の奥行価格補正額、側方路線影響加算額、二方路線影響加算額の計算が必要になります。
え、ちょっと何を言っているか全然わからないんですけど…。
本来は相続税額の計算のためですから、土地の値段だけが知りたいなら覚えなくても大丈夫ですよ。一応紹介しておきますね。

複数の道路に囲まれた土地の相続税評価額の計算方法

3つの道路に囲まれた路線価説明用イラスト

3つの道路に囲まれた100㎡(10m×10m)の土地

上記のイラストの土地は、路線価の異なる3つの道路に囲まれた10m×10mの正方形の土地になります。

この場合、

・正面路線価の奥行補正額
・側面路線の影響加算額
・二方路線影響加算額

の3つの合計額から相続税評価額を算出します。

普通住宅地の正面路線価の奥行補正額は、

10万円×奥行補正率(1.00)=10万円

になります。

側方路線影響加算額は、路線価に奥行補正率と国税庁が定めた側方路線影響加算率を掛け合わせます。

国税庁 側方路線影響加算率

国税庁 側方路線影響加算率(準角地とは1本の道路の曲がり角に挟まれた土地)

普通住宅地区の場合

7万円×奥行補正率(1.00)× 側方路線影響加算率(0.03)
=2100円

になります。

二方路線影響加算額は、路線価に奥行補正率と国税庁が定めた二方路線影響加算率を掛け合わせます。

国税庁 二方路線影響加算率

国税庁 二方路線影響加算率

普通住宅地の場合、

5万円×奥行補正率(1.00)× 二方路線影響加算率(0.02)
=1000円

になります。

この合計金額と面積を掛け合わせた金額、

(10万円+2100円+1000円)× 100=1031万円

が相続税評価額になります。

いろんな道路に接している土地の方が評価が高いんだな。理屈はわかったけど、計算がとてもメンドーです…。
これでわかるのも完璧な土地の値段ではないですからね。それに、路線価が設定されていない土地もあるので、すべての土地がこの方法(路線価方式)で値段を予想できるわけじゃないのです。
ええー!じゃあもっと簡単でわかりやすいヒントはないの?
それなら、固定資産税評価額から土地の値段を予想する方法がありますよ。

固定資産税評価額から土地の値段を知る方法

固定資産税評価額は、家や土地などの不動産の所有者に毎年届けられる固定資産税の課税明細書から確認することができます。

もし手元にない場合でも、市町村役場に申請をすれば、固定資産税評価証明書を取り寄せることができます。

固定資産税評価額からどうやって土地の値段がわかるんだ?
固定資産税評価額は、地価公示価格の70%程度になるように設定されていますから、固定資産税評価額を10/7倍してあげると、だいたいの土地の値段がわかります。
つまり、固定資産税評価額が1400万円だった場合、
1400万円÷7×10=2000万円
がだいたいの土地の値段ってこと?
GOOD!その通りです!ただし、この価格も土地の値段のヒント程度です。土地を売ったときの正確な値段とは言い難いですね。
どうしてさ!?
固定資産税評価額は、あくまで税額を決めるための数字ですからね。さらに言うと、土地は使う人によって様々な資産に変化する可能性がありますから、土地の売却価格は、家や建物を売るよりもよっぽど買い手に委ねられると考えていいでしょうね。
じゃあ、もっと手っ取り早く、しかも正確な土地の値段を知る方法はないのか?
正確に、しかも手軽に土地の値段が知りたいのなら、不動産一括査定サイトで複数の不動産会社に査定を依頼するのはどうでしょうか?

不動産一括査定サイトで査定価格を知る

不動産一括査定サイトで土地の売却前に値段を知る

不動産一括査定サイトでは、複数の不動産会社への査定依頼を、パソコンやスマートフォンでいつでもどこからでも無料で申し込むことができます。

一社だけから査定見積りを取り寄せるのではなく、複数の不動産会社へ査定を依頼することで、より正確な土地の値段を把握することができます。

不動産会社自身も、今回ご紹介したような方法を、土地の査定に役立てています。ただ、土地活用に関する知識や経験がある不動産会社なら、実際の売却プランとともに、アナタの土地の本当の価値を値段に反映してくれることでしょう。
本当に手軽にできるのか?
不動産一括査定サイトでは、机上査定(簡易査定)訪問査定の2つの査定方法が選択できます。机上査定だけなら、不動産会社とメールのやりとりだけで完了することも多いので、“土地の値段がとりあえず知りたい”という方なら査定依頼をして損はないですよ。
なるほどなるほど。

土地活用資料の一括請求もできる『リビンマッチ』

リビンマッチ査定の第一歩

『リビンマッチ』は、売却査定以外にも様々な査定や相談を一括で依頼できることです。

売却の一括査定の他に、買取の一括査定、任意売却の相談、賃貸管理の相談など、不動産に関する様々な悩みを解決するためのサービスが充実しています。

中でも、土地活用資料の一括請求は、田舎の家を持て余してしまっている方なら、売却と合わせて比較検討したいところ。

リビンマッチなら、1600社以上の不動産会社の中から、田舎の家を売りたいアナタにピッタリの不動産会社を見つけられるばかりか、売却よりも優れた土地活用のプランを提案してくれる不動産会社に出会えるかもしれません。

土地活用の資料見積りも一括で依頼できる査定サイトも存在します。

売却を考える前にとりあえず土地の値段が知りたいなら、ぜひ不動産一括査定サイトを利用してみてください。

不動産一括査定サイトで一緒に土地を売るパートナーを見つける

不動産一括査定サイトを利用すれば、土地の値段を知るだけでなく、一緒に売却を目指すパートナーとなる不動産会社を見つけることができます。

査定価格や売却プランが気に入った不動産会社があれば、媒介契約を結び売却への一歩を踏み出しましょう。

土地を売る場合には、多くの必要書類があり、境界確定のための測量瑕疵担保責任複雑な税金(譲渡所得税)の特別控除についてなど、個人で対応しきれないことが多くあり、サポートしてくれる不動産会社選びが非常に重要です。

大事なのは、大手不動産会社だから、地元の不動産屋だからという理由で不動産会社を決めないことです。

大手や地元の業者を選んじゃいけないのか?
そうではありません。不動産会社は、会社で選ぶのではなく担当者で選ぶということです。担当者がどんな売却方法を提案してくれるか、査定価格に根拠を持っているかを厳しくチェックして、頼れるパートナーを見つけましょう。

土地売却は、長丁場になってしまうこともあります。

不動産会社との媒介方法には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約とありますが、おススメは専属専任媒介契約です。

  一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約できる
不動産会社数
複数 1社 1社
売主への
報告義務
なし 2週間に1回 1週間に1回
レインズへの
登録義務
なし 契約後7日以内 契約後5日以内
契約期間 規定なし 最大3ヶ月 最大3ヶ月
個人間売買 できる できる 仲介が必要
とくに、田舎の土地を売るときは、二人三脚、一蓮托生で動いてくれるパートナーと売却を目指すべきです。専属専任媒介契約は売主への縛りも強いですが、不動産会社に課せられる義務も多く、最も適した媒介契約と言えます。
でも、自分で売り手を見つけられないんでしょ?田舎なら近所の人が買ってくれるなんてことがありそうだけど…。
よく勘違いされているのですが、専属専任媒介契約でも自分で見つけてきた購入希望者と不動産取引をすることはできます。ただし、契約している不動産会社に仲介してもらう形はとらなければいけません。
そういうことだったのか。
そういうことです。ちなみに、個人で土地を売ることは非常に難しく、おススメはしませんよ。
じゃあやっぱり、頼りになる不動産会社を見つけて、一緒に売却を目指すのが最善策ってわけだな!
GOOD!その通りです!まずは不動産一括査定サイトを利用して、土地を売るベストパートナーを見つけましょう!

家を高く売るための不動産一括査定サイトの賢い使い方