土地を売る前に相場を調べる方法とは?
土地を売る前には、相場価格を調べておくことが欠かせません。
土地とは、一つとして同じものがなく、個別性が非常に高いからです。
まったく同じ広さの土地だとしても、用途が違うだけで、地域が違うだけで、形が違うだけで、その価値は異なります。
そんな土地だからこそ、売却の前には専門家による売却査定が必要になり、その査定価格が適切かどうか判断するためには、相場を事前に調べておく必要があります。
土地の売却相場を調べるベストな方法!|実勢価格から相場を調べる
土地の売却相場を調べる方法はいくつかありますが、売り出す土地の周辺エリアで、実際に土地が売買されたときの価格を調べることがベストです。
実際の売買取引が成立したときの価格を実勢価格といいます。
不動産の取引では、売り手と買い手の間で価格交渉が入ることが一般的であり、実勢価格は、土地を高く売りたい売主と、土地を安く買いたい買主の希望価格が一致した妥協点だと言えます。
この妥協点を知っておくことで、自分の土地が売りやすい価格の相場が判断できます。
土地総合情報システムを使った実勢価格の調べ方
国土交通省では、住宅や土地などの不動産を取得した人へ、不動産取引のアンケートを送っています。
このアンケートの結果を集積したデータベースが、土地総合情報システムです。
土地総合情報システムで実勢価格を調べるためには、不動産取引価格情報検索を使います。
不動産取引価格情報検索のページが開いたら、検索する時期、不動産の種類、地域を選んで実勢価格を調べます。
この画像は、平成29年度に東京都で取引された土地の検索結果です。
実際に取引された価格が、取引総額、坪単価、㎡単価で表示されています。
価格だけではなく、所在地、地域、最寄り駅、土地面積、今後の利用目的、前面道路、都市計画、建ぺい率、容積率、取引時期、取引事情等といった情報を知ることができます。
(建ぺい率とは、土地の面積に対してどれだけの面積の建物を建てられるか、容積率とは、土地の面積に対してどれだけの容積の建物を建てられるかを表しています)
表示される検索結果から、売却したい土地に近い条件の土地を見つけて、坪単価、㎡単価を確認すれば、実勢価格相場を知ることができます。
実勢価格以外の価格から土地の売却相場を知る方法
土地には4つの価格があり、一物四価と言われていることをご存知でしょうか。
実際に売買された価格である実勢価格の他に、
・固定資産税額を決める基準となる固定資産税評価額
・相続税額を決めるための基準となる相続税路線価
という3つの価格があります。
これらの価格は、それぞれ目的の違う価格であり、売却相場の基準となることが目的ではありません。
しかし、実勢価格相場の参考として知っておいて損はない価格たちです。
地価公示価格と都道府県地価調査価格
地価公示価格は国が、都道府県地価調査価格は地方(都道府県)が、土地取引を円滑に行うための適正な価格として公示しています。
冒頭でお伝えした通り、土地は、ひとつひとつが唯一無二の財産であるために、価格をつけるのが非常に難しいです。
そのため、国と地方は、それぞれ標準地と基準地を設けて、適切な価格で取引がされるための指標となる価格を設定しました。
地価公示価格は、毎年1月1日に、1㎡あたりの土地の価値を不動産鑑定士2名以上で調査し、3月に公表されます
都道府県地価調査価格は、地価公示価格の調査から6ヶ月後の7月1日に1㎡あたりの土地の価値を不動産鑑定士1名以上で調査し、9月に公表されます。
固定資産税評価額と相続税路線価
地価公示価格と都道府県地価調査価格が、土地の適正な取引価格目安になっているのに対して、固定資産税評価額と相続税路線価は、税金を算出するための価格になります。
固定資産税評価額は、固定資産税や都市計画税、不動産取得税、登録免許税を算出するための土地1㎡あたりの評価額です。
3年に一度改定が行われ、1月1日時点の価格が4月ごろに市町村から発表されます。
相続税路線価は、相続税や贈与税を算出するための土地1㎡あたりの評価額です。
毎年1月1日時点での価格が、7月に国によって公示されます。
固定資産税評価額は、家や土地などの不動産の所有者に毎年届けられる固定資産税通知書で確認することができます。
もし手元にない場合でも、市町村役場に申請をすれば、固定資産税評価証明書を取り寄せることができます。
相続税路線価は国税庁のホームページから閲覧することができます。
ただし、相続税路線価は、地図上にかかれた数字から読み取らなければならず、一見しただけでは相続税路線価がいくらになるのか分かりにくいです。
詳しくはコチラ【土地を手放す前にいくらで売れるか知る方法】で解説していますが、売却の相場を知りたいだけであれば、相続税路線価まで調べなくても大丈夫です。
実勢価格>地価公示価格・都道府県地価調査価格>固定資産税評価額>相続税路線価
この順番で調べていくのが賢明です。
事前に相場を知れば、不動産会社選びと資金計画に役立つ!
ここまで、土地の相場価格の調べ方についてお話してきました。
土地を売る前に相場を調べることには下記のメリットがあります。
・不動産会社の査定価格が適切かどうかわかる
・土地を売却した後の資金計画が立てられる
今回お伝えした、相場価格を調べる方法を使って、アナタも土地売却を成功させましょう。
土地を高く売るためには、不動産会社選びが重要!
繰り返しになりますが、土地は個別性が強い唯一無二の財産のため、実際に売り出す前に必ず専門家による査定を受けておかなければなりません。
土地を売る方法としてもっとも一般的なのが、不動産会社に仲介を依頼して、買い手を探してもらう方法です。
そして、少しでも高い金額で土地を売りたいのであれば、不動産会社選びが非常に重要なポイントになります。
詳しくはコチラ【家を売るための重大ミッション!「不動産会社選び」の3大要素】をご覧ください。
家を売るためとなっていますが、土地を売るための不動産会社選びに役立つ情報を掲載しています。
不動産会社からの査定価格が揃えば、事前に調べた相場価格を比較してみてください。
その中に、明らかに他の不動産会社の査定価格とかけ離れた価格を提示してくる不動産会社には要注意です。
高額な査定価格を提示して、媒介契約を結びたいだけの悪徳な不動産会社の可能性があります。
土地活用資料の一括請求もできる不動産一括査定サイト『リビンマッチ』
『リビンマッチ』は、売却査定以外にも様々な査定や相談を一括で依頼できることです。
売却の一括査定の他に、買取の一括査定、任意売却の相談、賃貸管理の相談など、不動産に関する様々な悩みを解決するためのサービスが充実しています。
中でも、土地活用資料の一括請求は、田舎の家を持て余してしまっている方なら、売却と合わせて比較検討したいところ。
リビンマッチなら、1600社以上の不動産会社の中から、田舎の家を売りたいアナタにピッタリの不動産会社を見つけられるばかりか、売却よりも優れた土地活用のプランを提案してくれる不動産会社に出会えるかもしれません。
不動産一括査定サイトは、売主が売りたい土地に合った不動産会社とマッチングできる画期的なサイトです。
しかし、賢く利用しなければ、悪徳な不動産会社の罠にかかってしまうかも知れません。
相場価格を事前に調べておけば、そのような罠を避けて、不動産会社を選ぶことができます。
詳しくはコチラ【家を売るなら必見!不動産一括査定サイトを賢く利用する方法とは?】をご覧ください。
土地売却後の資金計画を忘れないこと
土地を売却して、購入金額より売却金額の方が高額になった場合、その利益に対して税金が課せられます。
土地を売ったときの利益に対して課せられる税金のことを、不動産譲渡所得税といいます。
実際のところ、全国的に土地の価格は下がり続けており、仲介手数料や登録免許税などの購入にかかった費用や、境界確定のための土地測量費や売買契約書に貼る印紙税、住宅ローンを完済したときの抵当権抹消登記費用などの売却にかかった費用は控除されるため、よほど高額で売却しない限り、譲渡所得税が発生することはありません。
ただし、土地を購入したときと比べて、近隣の状況が様変わりし人口が大幅に増えたエリアなどは、地価が上昇している可能性があります。
事前に相場を調べておけば、土地の価格が上がっているのか、いくら税金を納めなければいけないのかなどを把握することができ、売却後の資金計画が立てられます。
土地を売るのにかかる費用や、土地を売る流れについてはコチラ【土地を相続した方も必見!測量・調査から始まる「土地を売る流れ」】をご覧ください。
相続した土地を売るときは、譲渡所得税に気をつけて!
相続した土地を売るときには、譲渡所得税が多くかかってしまう可能性が高いです。
譲渡所得税は、
で算出される、課税譲渡所得金額に税率をかけた額を納めます。
取得費とは、購入代金と購入にかかった費用の合計額になるのですが、相続した土地の場合は、この取得費が不明になっている場合があります。
取得費が不明の場合は、概算取得費として売却代金の5%を取得費とするため、高額な税金を納めることになってしまいます。
例えば、1000万円で売却した土地の取得費が不明の場合、概算取得費が50万円となります。
売却に100万円の費用がかかったとしても、
この850万円が課税譲渡所得金額となり、被相続人から引き継いだ所有期間の長さによって、
長期譲渡所得税(売却した年の1月1日に対して5年と1日以上の所有)なら、170万円
短期譲渡所得税(売却した年の1月1日に対して5年以下の所有)なら331万5000円
これだけの税金を納めなければなりません。
相場価格を調べて、失敗しない土地売却を目指そう(まとめ)
・査定結果から、不動産会社を見極めるため
・売却後の資金計画を立てるため
この2つのために調べる必要があります。