業者ぬきで家を売るなら知っておきたい個人間売買のリスク回避方法
家の売却方法としては、不動産会社に買い手を探してもらう仲介、不動産会社に直接買い取ってもらう買取、そして、不動産会社の手を借りることなく行う個人間売買の3種類があります。
ただ、一般的には仲介と買取を選ばれる方が多く、個人と個人が不動産会社ぬきで家を売買することを選ぶケースは非常に少ないです。
いったいなぜなのでしょうか。
個人で家を売る唯一のメリットとは?
個人で家を売ることのメリットはたった一つ、仲介手数料を払わなくて済むことです。
・仲介手数料がかからない
不動産会社と媒介契約を結び見事に家が売れると、家が売れたことへの成功報酬として、不動産会社に仲介手数料を支払います。
個人間売買であれば、売主も買主も不動産会社を介さないで済むので、お互い仲介手数料を支払わなくてもいいメリットがあります。
売買価格×3%+6万円+消費税
が上限で定められています。
3000万円×3%+6万円+消費税=103万6800円
も仲介手数料にとられるのか。
不動産会社との媒介契約の種類
不動産会社との契約方法には、
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約
の3種類があります。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
契約できる 不動産会社数 |
複数 | 1社 | 1社 |
売主への 報告義務 |
なし | 2週間に1回 | 1週間に1回 |
レインズへの 登録義務 |
なし | 契約後7日以内 | 契約後5日以内 |
契約期間 | 規定なし | 最大3ヶ月 | 最大3ヶ月 |
個人間売買 | できる | できる | 仲介が必要 |
不動産会社との媒介方法比較
この中でも、一般媒介契約と専任媒介契約であれば、売主が個人的に見つけた買主との個人間売買が可能です。
その際に、不動産会社へ仲介手数料を支払う必要はありませんのでご安心ください。
ただし、不動産会社との契約事項に乗っ取った上で契約を解除してから、個人間売買に臨みましょう。
不動産会社が売りたい家を取り扱ってくれないこともある
不動産会社は、媒介契約した家を売却しなければ報酬を得ることができない、というのはご理解いただけたかと思います。
そのため、売却を希望する物件によっては、不動産会社が取り扱ってくれない可能性もあります。
個人間売買のリスクとは?
冒頭でもお伝えしましたが、個人間売買には多くのリスクが潜んでいます。
不動産会社に仲介を依頼していた時には、売主に降りかかってこないものがほとんどです。
どうしても個人で家を売るというのであれば、これらのリスクを回避しなければ、結局“不動産会社にお願いすればよかった”という結果になってしまします。
・家の査定 ・買い手探し
・内覧の調整
・買い手との契約
・決済・引渡の調整
これらの実務をすべて売主が行うということです。
どちらも専門性が高く、個人が行うには大きなリスクが伴います。
個人間売買のリスク回避方法①家の査定は無料の不動産一括査定サイトで依頼する
さっそく不動産会社が登場してきましたが、先ほどもお伝えしたように、不動産会社は媒介契約した物件を売却してはじめて、仲介手数料という成功報酬を得ることができます。
つまり、不動産を査定しただけでは報酬を支払う必要がありません。
インターネットが普及して久しい現代、不動産の査定は、自宅にいながらカンタンに、しかも複数の不動産会社に依頼できるようになりました。
それを叶えたのが、不動産一括査定サイトです。
お断り代行サービスのある不動産一括査定サイト『イエイ』
家を売るのが初めてという方には、イエローカード制度やお断り代行サービスのある『イエイ』は、非常におススメな一括査定サイトです。
24時間対応のサポートデスクもあるので、不動産売却の悩み等を気軽に相談することができます。
さらには、10年を超える長い運用歴があり、ますます安心して利用するサイトだと言えます。
また、提携不動産会社1000社以上から選ばれた、最大6社に依頼ができるため、より精度の高い査定結果に期待ができます。
どこを押せば査定がはじまるのか、一目でわかるがわかるシンプルなサイトデザインも好印象です。
不動産鑑定士に鑑定を依頼する
契約しないのに査定依頼するのは忍びない、とにかく不動産会社と関わりたくない、無料の査定に期待が持てない、という方は不動産鑑定を依頼しましょう。
査定が、不動産会社によって売却の仲介をした際に売れそうだなと見積もった金額算出するのに対して、鑑定は家の資産価値がいくらなのかを算出する方法です。
不動産会社は査定をするにあたり特に免許は必要ありませんが、鑑定には免許が必要であり、より正確な家の資産価値を知ることができます。
査定価格と相場価格を比較して売り出し価格を決める
前述の通り、一括査定で得られる査定価格は、“不動産会社の契約欲しさ”が加味された価格である可能性があります。
そのため、査定価格から売り出し価格を決める前に、必ず相場価格と比較しましょう。
相場価格には、売り出し価格相場、成約価格相場、査定価格相場の3つがあります。
そして、査定を依頼する前には、成約価格相場を必ず調べておきましょう。
レインズマーケットインフォメーションでは、エリア情報を入力すると、過去の成約情報を閲覧することができます。
また、国土交通省が運営する、土地総合情報システムでも、同じく成約価格をエリアや条件を絞って検索することができます。
その他にも、相場価格を知ることができるサービスはたくさんありますので、詳しくはコチラ【家を売る前に相場を知ろう!「成約相場」がわかるおススメサイト!】をご覧ください。
個人間売買のリスク回避方法②買い手探しをサポートしてくれるサイトを利用する
不動産会社が行う買い手探しを、個人で家を売る場合は自力で見つけてこなければいけません。
親族や友人、知り合いなど、初めから買い手が決まっている場合はスムーズですが、買い手が決まっていないのであれば、個人間売買は困難を極めるでしょう。
e-物件情報
『e-物件情報』は個人で物件情報を掲載できる不動産広告サイトです。
こちらに物件情報を登録すれば、メールアドレスを公開しなくても購入希望者と直接連絡を取り合うことができます。
物件の情報ページに、氏名や電話番号などの個人情報は掲載されないため、安心して利用できます。
おうちダイレクト
『おうちダイレクト』は、ヤフージャパンとソニー不動産が共同で企画運営するサービスです。
東京都と神奈川県、埼玉県、千葉県のみでしか利用はできませんが、買い手と売り手を直接つなぐ新しいサービスとして話題を呼んでいます。
基本無料で利用することができ、見学者が現れたときにはソニー不動産がしっかりサポートをしてくます。
家いちば
『家いちば』も、『e-物件情報』同様に、個人で物件情報を投稿することができるサイトです。
ただ、『家いちば』なら、すべての投稿は無料で行うことができます。
さらに、『家いちば』で見つけた買い手との契約や引渡は、すべて宅地建物取引士によるサポートを受けることができます。
家の基礎調査や重要事項説明も行ってくれるので、安心して取引を行うことができます。
さらに、『家いちば』ではホームインスペクションのサービス(有料)も行っています。
売主と買主両方が安心して取引ができるサービスとして、今後の発展に注目です。
(ホームインスペクションに関しては後程…)
個人間売買のリスク回避方法③内覧は家に住みながら行う
内覧とは、購入希望者のためのおうち見学会であり、売主であるアナタにとって、家の魅力を直接買い手に伝える最大のチャンスです。
家を売るための内覧のコツは、
・空気の入れ換え
・換気をする
・とにかく部屋を広く見せる
・とにかく部屋を明るく見せる
・すべての部屋と収納を見せる
・内覧の対応は女性が行う
・住んでいた人にしかわからない情報をすべて伝える
・購入に至らなくても、なぜ購入に至らなかったのか理由を聞く
・買い手のキモチになる
の9つです。
効果的な内覧をするためのホームステージング
ホームステージングは、購入者目線で売却物件にインテリアコーディネートを加えるサービスです。
まるで新築住宅の内覧に来ているような演出で、見学者に理想の新生活を想像させることができます。
日本ホームステージング協会の調査では、売却期間が3分の1に短縮し査定価格が平均23万円アップしたというデータもあり、中古住宅流通のための有効活用が期待されるサービスです。(日本ホームステージング協会|ホームステージング実態調査)
内覧について詳しくはコチラ【家を売るなら知っておきたい「家に住みながら内覧をする」9のコツ!】
個人間売買のリスク回避方法④売買契約書と重要事項説明書は専門家に任せる
必要書類 | 入手方法 | タイミング |
---|---|---|
登記簿謄本 (登記事項証明書) |
法務局の窓口 | 売却前 |
家の図面、仕様書、 購入時のパンフレット |
自宅にない場合は施行会社や不動産会社 | 売却前 |
住宅ローン償還表、 ローン残高証明書 |
金融機関から送られてくる | 売却前 |
購入時の売買契約書、 重要事項説明書 |
自宅にない場合は施行会社や不動産会社 | 売却前 |
土地測量図 | 法務局の窓口 | 売却前 |
境界確認書 | 隣接する土地の所有者と合意して作成 | 売却前 |
地図・公図 | 法務局 | 売却前 |
本人確認書類 | 売主所有の免許証など | 売却前 |
マンションの管理規約、 議事録、 長期修繕計画書 |
マンション管理会社から | 売買契約締結時 |
印鑑証明書 | 最寄りの市役所 | 売買契約締結時 |
住民票 | 最寄りの市役所 | 売買契約締結時 |
登記済権利書、 登記識別情報 (権利書) |
法務局から取得時に交付される | 売買契約締結時 |
建築確認済証、 検査済証 |
購入時に売主(不動産会社)から交付される | 売買契約締結時 |
抵当権抹消申請書 | 金融機関より | 売買決済時 |
登記関連の書類 | 司法書士が作成 | 売買決済時 |
固定資産税評価証明書、 固定資産税納税通知書 |
都税事務所、県税事務所、毎年5月に税務署から郵送される | 売買決済時 |
預貯金口座情報 | 売主所有 | 売買決済時 |
不動産売買で用意すべき書類一覧表
上記の表は、不動産売却の手続きのために、売主が用意すべき書類の一覧です。
全てが必ずというわけではありませんが、個人間売買で安全な取引を行うためには、揃えておいた方が賢明です。
詳しくはコチラ【必要書類は揃っている?「家を売るときの手続き」をチェック!】
・重要事項説明書
・売買契約書
も売主が準備しなければなりませんから。
重要事項説明書
重要事項説明書とは、家という商品の取扱説明書です。
中古住宅の場合、築年数や使用の度合いなどによって、同じマンションの同じ間取りの部屋でさえ、一点一点まったく異なる商品になります。
そのため、売買契約の前には必ず重要事項説明を行い、重要事項を明記した重要事項説明書を買い手に交付しなければなりません。
また、重要事項説明書は買主に納得して家を購入してもらうためだけでなく、買主が住宅ローンを借りるときに、金融機関が購入物件を担保とできるかの判断をするための書類にもなります。
つまり、重要事項説明書を用意できなければ、住宅ローンを利用しなくてもよい買い手にしか家が売れない可能性が高くなります。
ホームインスペクション
ホームインスペクションとは住宅診断のことです。
平成30年4月に改正された「宅地建物取引業法」では、
“媒介契約時に不動産会社は、売主または買主にホームインスペクションを実施する業者をあっせんするかどうかを示して、売主または買主の意向に応じてインスペクション会社を紹介しなければならない”
ことが明記されました。
不動産会社は、ホームインスペクションの内容を重要事項説明書に記載しなければならなくなったのです。
外回り | 基礎や外壁、屋根、バルコニー、シャッターなど |
---|---|
室内 | 柱や壁、床、建具、サッシなど |
設備 | 水回り、換気扇、給湯器、火災警報器など |
小屋裏(天井裏) | 雨漏りなどの欠陥調査 |
床下 | 基礎や土台、シロアリなどの欠陥調査 |
ホームインスペクションの主な診断項目
ホームインスペクションのでは、上記の表のような診断を行います。
業者や内容によって費用は変わりますが、最大でも15万円程度だと思っておけば問題ありません。
瑕疵担保責任
売買契約書
本来、売買の契約は口頭でも可能です。
ただし、家などの高額な商品の場合、売買契約書を作成して、お互いに内容を承認し合うのが通常です。
契約後の“言った vs 言っていない”のトラブルを避けるためにも必ず売買契約書を作成しましょう。
不動産売買契約書は個人で作成することも可能です。
売却物件の購入時にもらっている売買契約書を参考に、
・売主と買主の氏名
・物件状況(住宅診断報告書)の確認事項
・代金の額、支払い方法
・引渡時期
・移転登記手続申請時期
・瑕疵担保責任に関する取り決め
・租税公課に関する取り決め
・住宅ローンに関する取り決め
を記載して、売主と買主の両者が記名捺印を行いましょう。
また、売買契約書には、記載金額に合わせて印紙税を納める必要があります。
売買契約書に記載された金額 | 収入印紙代(印紙税) |
---|---|
101万円~500万円 | 1000円 |
501万円~1000万円 | 5000円 |
1001万円~5000万円 | 1万円 |
5001万円~1億円 | 3万円 |
1億1円~5億円 | 6万円 |
不動産譲渡契約書(売買契約書)の印紙税額
上記を参考に、郵便局から収入印紙を購入して契約書に添付してください。
個人間売買のリスク回避方法⑤登記手続きは司法書士に依頼
もし住宅ローンが残っている家を売却する場合、住宅ローンを完済して、家についている抵当権を抹消する必要があります。
売却代金(+手持ちの資産)で完済することができれば売却可能ですので、詳しくはコチラ【住宅ローンがあっても家は売れるのか?】をご覧ください。
この抵当権抹消登記は専門的な手続きとなるため、プロである司法書士に依頼するのがいいでしょう。
また、家を売却すれば、その所有権を売主から買主に移す必要があります。
そのためには、所有権移転登記手続きをしなければなりません。
こちらも、専門性の高い手続きになるため、司法書士に依頼しましょう。
ただし、移転登記手続きは通常であれば買い手が行う手続きです。
このとき、買い手が無理に個人で行おうとして、登記手続きが通らないということが起きないように、売主側が依頼して、料金を売却価格に上乗せしてもらうという方法も考えておくといいでしょう。
個人間売買の流れ
不動産会社に仲介を依頼した場合、家を売る流れは、
・売却活動…不動産会社による広告掲載、購入希望者の内覧、買主との価格交渉
・契約引渡…売買契約締結、決済と移転登記手続き、買主への引渡し
という3つの段階、9つの手順で進みます。
詳しくはコチラ【まずは流れをおさえよう!「家を売る9の手順」】
個人間売買の場合は、不動産会社を見つける必要がありませんので、
・売却活動…買い手探し、購入希望者の内覧、買主との価格交渉
・契約引渡…売買契約締結、決済と移転登記手続き、買主への引渡し
という流れになります。
売却の流れとしては、家を引き渡せば最後となりますが、家を売って儲け(売却益)が合った場合は、確定申告にて不動産譲渡所得税を納めなければなりません。
詳しくはコチラ【家を売るのはタダじゃない!税金の話】を参考にしてください。
仲介手数料は決して高くない!ベストパートナーとベストな売却を目指そう!
不動産会社に支払う仲介手数料がもったいなくて、不動産会社ぬきで家を売りたいと考えている方には、一度その考えを改めていただくことをおススメします。
個人間売買で家を売るには、仲介で家を売る場合と比べてリスクが多く、そのリスクを回避して売却を成功させるための努力が欠かせません。
不動産一括査定サイトを賢く利用して、アナタにピッタリな不動産会社を見つけよう
不動産会社を選ぶうえで、大事なのは、大手不動産会社だから、地元の不動産屋だからという理由で不動産会社を決めないことです。
不動産会社を選ぶときには、
・売りたい家と同条件、または類似条件の売却実績があるか
・売主と真剣に向き合い、一蓮托生で動いてくれるのか
これら3つのポイントに注目して選ぶようにしましょう。
そして、不動産会社を探すのに適しているのが、不動産一括査定サイトです。
提携不動産会社数1600社以上!累計利用者数1000万人以上!『イエウール』
『イエウール』は2014年から運用を開始した、新興の不動産一括査定サイトです。
その成長スピードはすさまじく、わずか3年あまりで累計利用者数は1000万人を突破、掲載不動産会社数も1600社以上に達するなど一括査定サイトの急先鋒です。
サイト内にはエリアごとの相場情報や、売却に成功した人の声が掲載されており、市町村ごとに細かくデータベース化されています。
提携不動産会社数が圧倒的に多く、アナタにあった不動産会社を早く見つけることができるでしょう。