老後の生活資金のために!住み慣れた我が家を売るタイミングとその方法
「老後破産」という言葉をご存知でしょうか。
定年退職を迎えた65歳以降、自己破産の道を選ぶ高齢者の方たちを指す言葉です。
内閣府が日常生活での悩みや不安を世論調査したところ、悩みや不安を感じていると回答した人の割合は63.1%、その中で最も多い悩みや不安が「老後の生活設計について」で53.5%でした(内閣府|国民生活に関する世論調査より)。
持ち家に住んでいらっしゃる方の中には、住んでいる家を売却することで、老後の十分な生活資金を蓄えようと思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、長年住み続けたマイホームを売るのには気が引ける、売りたくても方法がわからないという方がほとんどでしょう。
老後の暮らしのために家を売るタイミング①定年退職
老後の暮らしを考え出すタイミングとして、まず思い浮かぶのは定年退職です。
“40年近く働き続けたのだから、これからはのんびりとセカンドライフを楽しみたい“と考えても当然だと思います。
しかし、退職後の収入を年金に頼るとすれば、潤沢な生活資金を蓄えておく必要がなります。
そして、その自己資産を得るため、現在住んでいる家を売却しようと考える方が多いのではないでしょうか。
「総務省の家計調査|2017年度」によると、無職世帯(平均年齢73.7歳)の月々の平均収入が20万3254円、それに対して平均支出が23万7619円だったため、月々の収支はマイナス3万4365円でした。
つまり年間で約42万円の赤字収支になるということです。
これはあくまでデータ上の話になるので、病気や事故など突発的な支出が合った場合も見越しておく必要があります。
あなたの住宅ローンは大丈夫?
「老後破産」の原因は様々ですが、住宅ローンの返済もそのひとつ。
住宅購入時の無理な住宅ローンがたたり、定年退職後の支払いが困難になってしまうケースも多いようです。
家を売却するためには、借り入れた金融機関に住宅ローン残債をすべて返済して、抵当権抹消登記手続きをしなければなりません。
抵当権とは住宅ローンを融資した銀行などの金融機関が持つ権利のことです。
万が一、ローンの返済が滞った場合、金融機関は抵当権が設定されている家を競売にかけ、ローン残債を回収することができます。
住宅ローンを借りて購入した家の場合、登記簿上に登記されている抵当権を抹消してからでなければ、家を売ることができません。
詳しくはコチラ【ローンが残ってる家は売れるのか!?家を売る唯一の条件は「抵当権抹消」】をご覧ください。
老後の暮らしのために家を売るタイミング②子供たちの独立
子どもたちが我が家を巣立ち部屋を持て余していると感じたときも、老後のために家を売るタイミングです。
1991年以前の日本の平均世帯人数は3人以上でした。
つまり現在定年退職間近、あるいはすでに定年を迎えられ、セカンドライフを意識している人の中には、“使っていない部屋があるのに、いつまでもこの広い家に住み続けるのはもったいない”と考えている人が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
誰も住まない相続不動産は危険なお荷物?
相続した不動産に誰も住むことがないのであれば、すぐに売却してしまうべきです。
しかし、相続した不動産を売却売るには、
・遺産分割協議
・名義人の変更(相続登記)
これらを行う必要があり、被相続人が生きている間に売却するより多くの手間と費用がかかります。
ただし、売却せずに放置してしまうと、余計な固定資産税や維持管理費用を払わなければなりません。
また、放置していたことが原因で、他人の所有物になってしまうことや、隣家に損害を加えた場合に損害賠償請求される可能性もあります。
詳しくはコチラ【家を相続したらすぐ売るべき?「相続不動産売却」で気をつけたいこと】をご覧ください。
老後の暮らしのために家を売るタイミング③老後のライフスタイルの変化
年齢を重ねると、理想の我が家の姿は変わっていくものです。
定年退職、子供たちの独立にも共通しますが、老後はそれ以前の生活と活動範囲が変わります。
現在住んでいる家は、通勤時間や子供の通学時間などを考えて決めた家かも知れませんが、老後には通勤の必要も、子供の通学時間を考える必要もありません。
一方で、身体の衰えも考えて、徒歩圏内にスーパーやコンビニ、病院があるかといった新たな悩みが出てきます。
子どもの暮らす地域に近居する
近居とは、同じ家に住む同居とは違い、徒歩で通える程度の同じ地域や同じマンションに住むことを言います。
内閣府が発表した「平成25年度家族と地域における子育てに関する意識調査報告書」によると、「理想の家族の住まい方」という質問に対して「祖父母と近居」を選んだ親世代の回答が31.8%と一番高い数値でした(次点で「親子世帯で祖父母と離れて暮らす」 21.7%、3位が「祖父母と同居」 20・6%、4位が「夫婦二人暮らし」 18.6%)。
親世代にとっては、同居ほど気を使うこともなく、近くに住む祖父母に孫の面倒を見てもらえる・相談できるメリットがあるからだと考えられます。
一方で祖父母世代にも、新たな土地で暮らす不安を和らげ、介護が必要になったときには親世代を頼ることができるメリットがあります。
祖父母世代、親世代ともに、お互い頼れる相手が近くにいてくれるので、安心できる暮らし方と言えるでしょう。
子どもと二世帯住宅で同居する
近居には及びませんが、上述の調査・質問において「祖父母と同居」という回答も20.6%と5人に1人が同居を望んでいるという結果でした。
一方で、「親子世帯で祖父母と離れて暮らす」という回答率が21.7%だったことからも、親との近居や同居を嫌がる方もいらっしゃいます。
しっかり親子間で相談をして、親子ともに理想の暮らしができるようにしましょう。
二世帯住宅で同居する際にも、祖父母世代と親世代の双方にメリットがあります。
祖父母世代にとっても、新居を購入する資金を親子で折半することで軽減でき、老後の生活のための資金を多く残すことができる可能性があります。
また、もしもこの先、介護老人ホームに入れなかったときのことを考えると、一つ屋根の下に家族が同居しているのはとても心強いです。
親世代にとっては、近居同様に子供の面倒を見てもらえるだけでなく、将来的に家を相続した場合、相続税の減税措置を受けることができます。
住宅セーフティネット制度とは?
住宅セーフティネット制度とは、高齢者や低額所得者、被災者、障がい者、子育て世帯の方といった、住宅の確保に配慮が必要な方のために、
①住宅確保用配慮者向け賃貸住宅の登録制度
②登録住宅の改修や入居者への経済的な支援
③住宅確保用配慮者に対する居住支援
の3つの大きな柱からなる制度です。(「制度について知る|セーフティネット住宅情報提供システム」より)
売却以外の選択肢を考える
リバースモーゲージ
リバースモーゲージは、自宅を担保に低金利の借り入れができる制度・商品です。
公的機関による制度と民間の金融機関による商品の2つのタイプがあり、どちらも住み慣れた家に暮らしながら、老後の暮らしのための資金確保をすることができます。
借入限度額は、担保にした住宅の土地評価額の50~80%程度になります。
リバースモーゲージは、老後の暮らしの資産計画に悩む高齢者にとって、好都合の制度・商品に思えますが、リスクも大きいため、利用するには細心の注意が必要です。
まず、担保に入れた家を売却することで借入金を完済するため、
リバースモーゲージで担保に入れた家は、相続することができません。
しかし、
相続税の支払いは相続人が行う必要があります。
利用する場合には、個人の意思だけでなく、相続人となる配偶者や子どもに相談してからにしましょう。
築年数の古い家を売るための注意点とは?
築年数の古い家の売却はリフォームを前提とする買い手を狙おう
建物には耐用年数があり、建物自体の価値は年々減り続けていくため、築年数の古い家は、一般的には売りにくい物件とされます。
特に1981年以前に作られた建物は、現在の耐震基準法に満たない物件がほとんどなので、事前に耐震基準を満たしているか確認しておきましょう。
また、購入時に利用できる住宅ローン控除や、不動産所得税の軽減措置は、築20年(マンションの場合25年)超えの住宅だと、要件から外れてしまう可能性があります。
買主にとっては少し手を出しにくい物件と言えるでしょう。
国土交通省が発表した「平成29年度 住宅市場動向調査」によれば、中古住宅にした理由において、「リフォームで快適に住める」からという回答率が戸建住宅は30.1%、マンションは32.5%でした。
これは、1位「予算的にみて中古住宅が手頃だったから(戸建69.9%、マンション76.6%)」、2位「新築住宅にこだわらなかったから(戸建て39.1%、41.2%)」に次ぐ3番目に高い数字です。
築年数の古い家を売るときには瑕疵担保責任に注意!
また、築年数の古い家には住んでいた人でも気づかないような欠陥が発生しているかもしれません。
売却した家に、そういった隠れた欠陥が見つかったときには、売主は瑕疵(かし)担保責任を負わなくてはいけません。
買主は、購入した物件の隠れた瑕疵を発見してから1年以内であれば、売り手に対して損害賠償請求をすることができます。
また、その瑕疵によって居住や物件の活用が困難な場合は、契約解除を要求することもできます。
売主は、物件の瑕疵を知っていた場合に必ず購入希望者に伝えておく必要があります。
初めから知っていた瑕疵を伝えないのは契約違反であり、場合によっては詐欺にあたる可能性もあります。
一方で、発見された瑕疵がそもそもあった瑕疵なのか、経年によって発生した瑕疵なのかは判断が難しく、個人間の売買は2~3ヶ月間を瑕疵担保責任の有効期限として売買契約書に記載しておくことが一般的となっています。
ホームインスペクションとは?
ホームインスペクションとは住宅診断のことです。
不動産会社は、売主との契約時にホームインスペクションを実施する業者をあっせんするかどうかを示して、売主の意向に応じてインスペクション会社を紹介しなければなりません。
ホームインスペクションの内容は、売買契約時に、不動産会社が買主に渡す重要事項説明書に記載し、インスペクションの結果を売主と買主が双方確認したことを、売買契約書にも記します。
築年数の古い一戸建ては「古家付き土地」として売る
築年数の古い一戸建てを売る場合には、建物の価値がゼロに等しい場合があります。
この際、建物を解体し更地にしてから売るのか、建物を残して古家付き土地として売るのか悩まれる方は多いと思います。
売主のメリット | 売却期間中の固定資産税が安くなる |
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建物の瑕疵担保責任を面積に出来る可能性が高い | |
買主のメリット | 住宅を建てたときのイメージがしやすい |
古家を気に入れば、そのまま居住できる | |
住宅ローンを利用しやすい |
古家付き土地で売買するメリット
上記の表のように、古家付き土地として売買することには、売主と買主どちらにもメリットがあります。
また、買主にメリットがあるということは、すなわち売却のしやすさにも繋がり、売主にとってもメリットになると言えます。
詳しくはコチラ【「相続した家と土地」はセット売り!まずは土地を売る方法を知ろう!】をご覧ください。
老後の生活資金のために家を売るなら、不動産会社選びが重要です
不動産一括査定サイトを賢く使って家を売る方法
不動産一括査定サイトを利用すれば、査定を依頼するために不動産会社まで出向く必要はありません。
売りたいマンションの情報と、売主の個人情報さえ入力すれば、1度の入力で複数の不動産会社へ査定見積りを依頼することができます。
インターネットを使って、自宅でカンタンに、しかも無料で利用できるので、老後の生活資金のために家を売る方には非常におススメのサービスです。
相場価格を知る方法とは?
相場価格には、売り出し価格相場、成約価格相場、査定価格相場の3つがあります。
そして、査定を依頼する前には、成約価格相場を必ず調べておきましょう。
成約価格の情報はインターネットを使って収集が可能です。
レインズマーケットインフォメーションでは、エリア情報を入力すると、過去の成約情報を閲覧することができます。
また、国土交通省が運営する、土地総合情報システムでも、同じく成約価格をエリアや条件を絞って検索することができます。
その他にも、相場価格を知ることができるサービスはたくさんありますので、詳しくはコチラ【家を売る前に相場を知ろう!「成約相場」がわかるおススメサイト!】をご覧ください。
不動産会社を選ぶコツとは?
不動産会社を選ぶうえで、大事なのは、大手不動産会社だから、地元の不動産屋だからという理由で不動産会社を決めないことです。
不動産会社を選ぶときには、
・売りたい家と同条件、または類似条件の売却実績があるか
・売主と真剣に向き合い、一蓮托生で動いてくれるのか
これら3つのポイントに注目して選ぶようにしましょう。
また、不動産会社の担当者との人間的相性も、不動産会社を選ぶ上で重要なポイントになります。
家を売るためには、約3ヶ月~6ヶ月の期間がかかります。
長い売却期間を共に戦うパートナーになるわけですから、じっくり時間をかけて選ぶようにしましょう。
詳しくはコチラ【家を売るための重大ミッション!「不動産会社選び」の3大要素】をご覧ください。
老後の生活資金を蓄えるために、満足のいく売却を目指そう
相場価格の調べ方と不動産会社選びのコツ、お分かりいただけたでしょうか。
この2つを知っておけば、不動産一括査定サイトを使って、アナタの家の売却をサポートしてくれるパートナーを見つけることができます。
老後の生活資金を蓄えるためにも、まずは、複数の不動産会社に査定を依頼することから、満足のいく売却を目指してください。
提携不動産会社数1600社以上!累計利用者数1000万人以上!『イエウール』
『イエウール』は2014年から運用を開始した、新興の不動産一括査定サイトです。
その成長スピードはすさまじく、わずか3年あまりで累計利用者数は1000万人を突破、掲載不動産会社数も1600社以上に達するなど一括査定サイトの急先鋒です。
提携不動産会社数が圧倒的に多く、アナタにあった不動産会社を早く見つけることができるでしょう。
その他不動産一括査定サイトについては、コチラ【家を売るなら必見!不動産一括査定サイトを賢く利用する方法とは?】をご覧ください。